研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -007/126page

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  校内研修計画時,共通理解が図られなかった場合の対応
問 3 校内研修の計画を立てるとき,全職員の共通理解が図られなかった場合,あなたの学校ではどうしていますか。
 図−2                         N= 308
図−2

 < 考 察
 校内研修計画を立案するとき,全職員の共通理解が図られなかった場合の対応の仕方を,全体的にみると,最も期待する対応の仕方と思われる4(丸囲み数字)の「校内外から指導を受けたり調べたりして再度話し合い」の約28%と,効率的な計画立案の問題は残しながらも3(丸囲み数字)の「時間をかけて話し合い」の約54%とを合わせると,ほとんどの教師は,共通理解を図ろうとして積極的に対応していることが分かる。むしろ問題は,少数ではあるが,1(丸囲み数字)の,「共通理解が図られないまま……」の約2%と,2(丸囲み数字)の「計画を変えて……」の約11%とにあろう。このような共通理解を得るための対応の仕方は,自己啓発的な校内研修を充実させるうえで問題とすべき実態といえる。

 このことを規模別にみると,1(丸囲み数字)は小規模校が約1%,中・大規模校が約3%で,中・大規模校にやや多く問題がみられるといえる。

 更に,このことを男女別にみると,共通理解を図る対応の仕方に男女教員の差異はほとんどみられないことが分かる。

 このような校内研修計画を立案するときの共通理解の図り方の問題点には,校内研修計画を立案するまでの手続きと共通理解を図るまでの具体的な手だてとの理解の不十分さ等が,主な要因として考えられよう。

 この要因を解決し,問題点を改善するには,
○ 校内の個々の研修課題とのかかわりを十分につきつめて,校内研修計画を立案すること。
○ 校内研修計画に合わせて,個人の研修計画を具体化すること。
○ 共同研究という特性と校内研修の重要性とを深く認識する場の設定を多様に工夫・改善すること。
○ 自己啓発的な校内研修を推進するうえで,計画の共通理解はきわめて大切であるから,立案までの手続きを十分配慮すること。
 特に中・大規模校においては,立案までの手順を,事前に十分共通理解を図っておくこと。
○ 研修計画の共通理解を図る手だてを具体化しておくこと,などが考えられよう。


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