研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -008/126page
校内研修の時間確保の現状
問 6 あなたの学校では,校内研修の時間をどのように確保していますか。(2項目選択)
図−3 N= 308
< 考 察 >
全体的にみると,1(丸囲み数字)の「月・週の行事計画に位置づけて」が約95%で,ほとんどの小学校では,校内研修の時間を年間行事計画に位置づけて確保に努めていることが分かる。6(丸囲み数字)の「……ブロック研究に重点……」が約40%,5(丸囲み数字)の「研修内容・方法の工夫改善……」が約23%,2(丸囲み数字)の「会議や行事を調整……」が約22%であることなどをみると,各校がそれぞれの実態に即して工夫をし,研修時間を生み出していることも分かる。しかし,7(丸囲み数字)の「行事の少ない時期や長期の休業期間……」の約7%や4(丸囲み数字)の「事務の簡素化・能率化……」の約1%は,校内研修の充実や事務処理の効率化から見直すべき余地があることを示しているといえるであろう。
特に,3(丸囲み数字)の「授業や休み時間を短縮……」の約8%は,教育課程実施のうえから望ましくない実態といえようし,9(丸囲み数字)の「特に確保はしていない」の約1%は,県内で数校であるが,当然改めるべきであるといえよう。
ただ,3(丸囲み数字)と9(丸囲み数字)を規模別にみると,3(丸囲み数字)については小〜大規模校順に,約12%,約5%,約3%であり,9(丸囲み数字)については,同様な順で,約1%,約1%,約0%であることから,小規模校は比較的容易に研修時間の確保ができる実状がうかがわれる。
このような問題点には,校内研修を計画的に推進する重要性に対する認識の低さ等が,主な要因として考えられる。
この要因を解決し,問題点を改善するには,
○ 学校経営過程全体の中で,研修時間を確保し見通しのある校内研修の推進に努めること。
○ 分掌内容や学級事務の精選や処理の効率化を具体化すること,などが考えられよう。