研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -010/126page

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  授業準備時におけるエ夫・改善意欲態度
問 13 授業の準備をしているとき,資料や教材・備品の不足に気がつきました。あなたは,そのような場合どうしていますか。
 図−5                         N= 308
図−5

 < 考 察
 全体的にみると,1(丸囲み数字)の「時間の許す限りよいものを……」と回答したのが約47%,3(丸囲み数字)の「個人で購入したり,工夫してよいものをつくる」が24%4(丸囲み数字)の「現在あるもので間に合わせる」の回答が約24%,少数ではあるが2(丸囲み数字)の「他の先生がつくったものをそのまま使う」が約1%である。3(丸囲み数字)と1(丸囲み数字)を合わせ考えると,多くの教師は授業準備時に教材・備品の工夫改善に努めていることがわかる。しかし,2(丸囲み数字)と4(丸囲み数字)の実態を考えると,1/4の教師は,工夫改善の意欲が十分あるとはいえないように思われる。

 授業充実のうえから,特に4(丸囲み数字)について年代別にみると,20〜50代は,約28%,約23%,約22%,約16%となり,年代が低いほど工夫改善に努める積極性に欠ける傾向がみられるようである。

 更に,4(丸囲み数字)について男女別にみると,男子教員は約27%,女子教員は約20%となり,男子教員のほうが,工夫改善への意欲が不十分のまま授業に臨んでいる実態がうかがえる。

 このような問題点の要因には,授業充実に教材・備品の工夫改善が大切であることの理解が不十分であること,教材・備品の工夫改善の方法がよく分からないこと等が,主として考えられよう。

 このような問題点を改善するには,
○ 授業充実の視点から,教材・備品の工夫改善の必要性を多くの機会に研修すること。
○ 教材・備品を工夫改善する方法を具体的な場を意図的に設定して研修すること。
○ 教材・備品の工夫改善に要する資料,用具,材料,時間等を整え,具体化を図ること。
などが考えられよう。


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