研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -011/126page
校外研修参加を勧められた時の個人の研修意欲
問 15 あなたは,教頭から校外研修に参加するように勧められたとき,どうしますか。
図−6 N= 308
< 考 察 >
全体的にみると,校外研修参加を勧められ積極的に研修しようとする2(丸囲み数字)の「……積極的に参加…」は約28%で,3(丸囲み数字)の「参考になると思うので参加……」は約56%である。これに対して,1(丸囲み数字)の「「希望していないが勧められたので参加……」は約8%で,4(丸囲み数字)の「希望しないので遠慮する」は約1%である。1(丸囲み数字)と4(丸囲み数字)への回答は少ないが,研修参加の意欲をみるとき無視できない実態といえよう。このようなことから,研修参加への積極的な意欲は多くみられるが,消極的な態度も少数ではあるがみられるといえる。特に1(丸囲み数字)について年代別にみてみると,20〜50代は,約6%,約7%,約9%,約9%で,ほとんど差異は認められないが,わずかに年代が高くなると増加していく傾向がみられる。
更に男女別にみると,男子教員が約11%,女子教員が約5%で,男子教員が多いことがわかる。
このような問題点の要因には,校外研修についての認識が低く,直接的にかかわる研修だけが大切であると考えていること,広く研修の場を内外に求めて,研修を深めようとする意欲が不十分であること等が,主として考えられる。
この問題点を改善するには,
○ 教師生活全体を通して,広く研修することの大切さを自覚する機会を多様に設けること。
○ 直接分掌にかかわらない研修でも,伝達の方法などを工夫して,共有できるようにすること。
○ 分掌外の研修でも,研修内容を累積して相互啓発が行えるような機会を配慮すること。
○ 研修成果の活用方法を,校内研修全体の中に位置づけ,自己啓発的に共に研修し合える機会の設定を工夫改善すること。
などが考えられよう。