研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -017/126page
校内研修の時間確保の現状
問 6 あなたの学校では,校内研修の時間をどのようにして確保していますか。(2項目選択)
図−12 N= 113
< 考 察 >
全体的には,1(丸囲み数字)の「月・週の行事計画に位置づけて……」が約81%,2(丸囲み数字)の「会議や行事などの調整を行って……」約32%,6(丸囲み数字)の「学年や教科などのブロック研究に重点をおくやり方で……」31%5(丸囲み数字)の「研修の内容・方法などを工夫・改善して,……」約17%などとなっており,1(丸囲み数字)の方法によって校内研修の時間を確保している学校が圧倒的に多い傾向にあることがわかる。しかし,現状においては,まだ,3(丸囲み数字)の「授業や休み時間の短縮を行って……」が約12%と多いことや,8(丸囲み数字)の「個人の研修計画により……」が約7%あることは,教育課程の完全実施の面や,個人にまかせきりになる恐れがあることなどから問題であろう。さらに少数ではあるが9(丸囲み数字)の「特に確保はしていない」が約4%あることは校内研修推進上,極めて問題である。規模別でも,1(丸囲み数字)が圧倒的に多いが,まだ校内研修の時間を行事計画に位置づけていない学校が,規模が大きくなるほど多くなっていることは問題であり,早急な改善が望まれる。また,中・大規模校で6(丸囲み数字)が多いことは実状を反映しているようであるが,今後7(丸囲み数字)のような長期の休業期間だけの時間の確保や5(丸囲み数字)の方法については,学校規模をとわず,さらに検討していく必要があろう。
以上みてきたように,これら問題点の要因には計画の位置づけはなされていても目先の都合から後まわしにされること,時間のわりには成果の少ない運営の仕方,研修時間だけを「研修」と考えられている風潮などがあるように思われる。
したがって,改善の方向としては,
○ 規模別の特性にあった研修時間確保の工夫
○ 主題にかかわる個人研修の成果を生かした校内研修の充実
○ ブロック研究の重視や長期休業日の活用 などが考えられよう。