研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -018/126page

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  校内研修が中止になり,個人研修になった時間の活用現状
問 12 予定していた校内研修会が都合によりできなくなり.個人で研修することになりました。あなたは,その時間をどんなことに多く使っていますか。
 図−13                         N= 113
図−13

 < 考 察
 全体的には,校内研修が中止になると1(丸囲み数字)の「校務分掌・学級事務処理……」に約49%,2(丸囲み数字)の「個別指導や部活動等に……」が約40%であり,1(丸囲み数字)4(丸囲み数字)に集中している。このことは規模別の結果でも同じ傾向であり(資料略),期待される4(丸囲み数字)の「先輩の先生方から指導助言を受けたり……自己研修などに使う」は,約5%とまったく低い。この時間は,予定された校内全体の研修会であり,個人研修の時間になったのであるから,個人研修はできるはずである。この回答結果からみる限り,時間は確保されていても,中止になると事務処理や部活動等にあてているのが現状実態ということになろう。

 年代別にみられる特徴としては,1(丸囲み数字)の「校務分掌,学級事務等に使う……」が,年齢の高い層ほど高くなる傾向(20代〜50代,約27%約51%,約61%,約82%)にあり,2(丸囲み数字)の「個別指導や部活動等に……」は,逆に若い層ほど高くなる傾向(20代〜50代,約61%,約41%,約22%,約6%)にあることがわかる。

 このことから,学校現場においては,校内研修が中止になった場合,一般的に若い教師層は部活動等に,年齢の高い教師層は事務処理等にその時問を使用していることがうかがわれる。男女別からみても差はない。(資料略)

 現状実態としてのこうした問題点の要因は,次のように考えられる。
○ 分掌事務,学級事務の量が多過ぎる現実
○ 校内研修に対する意識態勢の低さの問題
○ 個人研修に対するリーダーの配慮不足 等。

 したがって,上記問題点の改善の方向としては,
○ 各校において,事務量軽減のための事務内容の整理・統合等の検討と事務処理遂行の仕方の工夫・改善を図ること。
○ 研修リーダー(校長・教頭・研修主任等)による校内研修の重視と各先生方への意図的な働きかけ等による研修態勢づくりに更に努力すること。
○ 予定の校内研修変更の場合の運営計画の作成等による校内研修完全実施の校内体制づくりに努力すること。
○ 小・中・大規模校の特性を生かした校内研修(個人研修)のあり方の工夫に努めること。
○ 先輩教師から後輩教師への指導助言の奨励と部活動の効率的運営の工夫と改善を図ること。
等が考えられよう。


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