研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -020/126page
校内研修をさらに充実させるための個人の改善意欲
問 18 校内研修をさらに充実させるために,あなたはどのように努力していますか。
図−15 N= 113
< 考 察 >
全体的には,2(丸囲み数字)の「関係資料を調べ,解決の糸口をみつける」が46%,1(丸囲み数字)の「……係から充実の方策が示されるまで待つ」が約27%,3(丸囲み数字)の「外部からの指導を受けたり個人の考えを持ち寄って…」が約18%,4(丸囲み数字)の「研究機関や先進校からの指導を提案……」が約4%の順位であり,積極的に改善していこうとする3(丸囲み数字),2(丸囲み数字)が合わせて約60%からみればその意欲はうかがわれる。しかし,最も期待される3(丸囲み数字)が約18%である点,更に1(丸囲み数字)の「係から充実方策が示されるまで待つ」の消極性が約27%もみられる点は問題であろう。年代別にみられる特徴としては,全回答で最も多かった2(丸囲み数字)において,年代の若い層が回答率が高く,(20代〜50代,約44%,54%,39%,41%)意欲的とみられるが,逆に,1(丸囲み数字)も若い層が多くなる傾向(20代〜50代,約34%,約24%,約17%,約24%)を示し消極性がうかがわれる。矛盾しているようだが,若い教師層には,こうした二面性もみられる。
また,男女別にみて1(丸囲み数字)は,男女差が大きいことが特徴である。(男子教員約20%,女子教員約41%),更に女子教員の積極的な態度が望まれる。
これらの問題点の要因は,校内研修のすすめ方の現状において,係主任に依存する傾向と校内研修に対する自覚の低さにあると思われる。
したがって改善の方向としては,
○ 全員の意見を十分に出せるような配慮と各自が発表資料等を持参して参加するなどの研究協議会の参加のしかたを工夫すること。
○ 意図的に若い教師層や女子教員の発言を促し,取り上げるような研修会のすすめ方の工夫等が考えられよう。