研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -021/126page
校内研修の評価結果活用の事実
問 17 あなたの学校では,校内研修の評価結果をどのように活用していますか。
図−16 N= 113
< 考 察 >
全体的には,1(丸囲み数字)の「学期ごとに評価し……」が約47%,2(丸囲み数字)の「現職研修委員会がまとめた評価結果の……」が約22%,3(丸囲み数字)の「校内評価計画にもとづき……」が約21%,4(丸囲み数字)の「毎月,個人の反省を集約し……」が約2%となっており,各学校で実施している校内研修の評価結果の活用状況では1(丸囲み数字)が一般的であることがうかがわれる。規模別では,小・中規模校で1(丸囲み数字)がそれぞれ50%約54%と半数になっているのに対して,大規模佼では1(丸囲み数字)が約29%,2(丸囲み数字)と3(丸囲み数字)が約33%とほぼ3つに分かれている。2(丸囲み数字)については,小・中・大規模校の順で,約17%,約21%,約33%と規模が大きくなるにしたがって現職研修委員会がまとめた評価結果にたよる傾向がみられ問題であろう。
年代別では,1(丸囲み数字)が20代で約59%,30代で約46%と多く,やや形式化した活用状況にあるが,40〜50代では,個人によって活用状況に違いがみられる。また,2(丸囲み数字)については,40代が約44%,50代が約24%と年令の高い教師は係に依存する傾向がみられる。これらのことから,学校現場においてほ校内研修の評価結果の活用においては,従来どおりの形式的なものを踏襲している例が多く,積極的な改善の必要感や活用意識は低いことがうかがえ,問題点として指摘できよう。
このような問題点の要因としては,校内研修評価計画が不十分であること,すべて現職研修委員会にまかせる傾向があり,改善が難しいこと,評価結果を活用しないで指導に当たる教師の意識の低さなどにあるのではないかと思われる。
したがって,改善の方向としては,
○ 学校の実態に合った校内研修評価計画の整備
○ 評価結果を日々の授業に生かしていく校内研修の態勢づくり などが考えられよう。