研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -022/126page
個人研修の成果活用意欲・態度
問 19 あなたは,個人研修の成果を校内研修に生かしていますか。
図−17 N= 113
< 考 察 >
全体的には,1(丸囲み数字)の「なんらかのかたちで生かすように努力……」が約58%,4(丸囲み数字)の「……積極的に生かしている」が約16%であり,意欲的態度であると考えられる。しかし,3(丸囲み数字)の「個人研修はやっていない……生かしていない」が15%,2(丸囲み数字)の「……生かそうとは思わない」が約5%もあることは問題であろう。このことを規模別からみてみると,3(丸囲み数字)の場合,規模が大きくなるほどその傾向(小規模〜大規模13%,14%,約21%)が大きくなる。更に2(丸囲み数字)においても同傾向(小規模〜大規模,約4%,7%,約4%)にあり,規模が大きくなるにしたがい,個人研修と校内研修との結びつきが薄くなる現状がうかがわれる。
年代別においてみられる特徴は,3(丸囲み数字)においては若い教師層に比べて年齢の高い層が多くなっており(20代〜50代,約15%,約8%,約22%,約24%)40・50代教師は,個人研修が少なくなる傾向がみられる。このことは4(丸囲み数字)の回答結果(20〜50代約12%,約24%,約11%,約12%)からも高年令層の消極的な姿勢としてうかがわれよう。若い教師層を指導し育てる立場にもあることから,問題は大きいと思われる。
こうした問題点は,個人研修・校内研修の必要性の自覚と教職への使命感の希薄さに起因することであろう。
したがって,改善の方向としては,
○ 毎時の授業に結びつく校内研修のあり方の提示と共通理解に基づく計画的な研修会の実施
○ 個人研修の奨励と校内研修に生かした実例研究会等の重視
○ 他校との交流や外部からの指導者導入による意識の向上等が考えられよう。