研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -026/126page

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  校内研究が中止になり,個人研究になった時間の活用現状
問 12 予定していた校内研究会が都合によりできなくなり,個人で研究することになりました。あなたは,その時闇をどんなことに多く使っていますか。
 図−21                         N= 89
図−21

 < 考 察
 全体的にみると,1(丸囲み数字)の「校務分掌や学級事務処理……」約55%,2(丸囲み数字)の「個別指導や部活動に使う……」が23%で,1(丸囲み数字)2(丸囲み数字)を合わせて約78%となり大半の教師が校務の事務処理や部活動などに費やしていると思われる。期待される4(丸囲み数字)の「先輩からの指導助言を受けたり,自主研究に使う……」はわずか10%であることから,自ら研究に意欲を燃やす教師は少ないと思われる。この時間は,研究会の時間であるから,当然個人研究に当てられるべきであることから考えると問題であろう。

 規模別では,大規模校が1(丸囲み数字)約60%で,規模が大きくなるにしたがって高くなる傾向を示すが,大規模校が事務処理に多くの時間を必要とすることは問題であろう。4(丸囲み数字)は小規模校17%に対し,中・大規模校は約9%にとどまっている。

 年代別では,若い教師に2(丸囲み数字)の回答が高いのはうなづける。一方,若い教師の回答で4(丸囲み数字)が10%にも満たないことは,専門職としての生涯研修という観点から問題であろう。

 こうした問題の要因は,分掌内容・学級事務量の過多と煩雑化。校内研究に対する意識・自覚の不足による重要性の認識の欠如。全校的研究方法の未熟さとその体制の不備などが考えられよう。

 したがって,改善の方向としては,
○ 事務量軽減のための内容整理統合等の検討及び事務処理の仕方の工夫。
○ 校内研究に対する意識の高揚と態勢づくり。
○ 全校的研究方法の確立と研究体制づくり。
 などが考えられよう。


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