研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -028/126page
校内研究の評価結果活用の事実
問 17 あなたの学校では,校内研究の評価結果をどのように活用していますか。
図−23 N= 89
< 考 察 >
全体的には,2(丸囲み数字)の「研究委員会がまとめた評価結果の資料を利用……」が約42%,1(丸囲み数字)の「学期ごとに評価し,学年末……」が約32%。3(丸囲み数字)「校内評価計画で……各自の指導に生かす……」が約17%となっていて,多くは2(丸囲み数字)の評価結果資料の利用と1(丸囲み数字)の学期末,学年末の評価に終わっていることがうかがわれる。また,規模別にみると,3(丸囲み数字)は小規模校でも約42%ほどで,各自の指導に生かすところまでは至っていないのでほないかと思われる。2(丸囲み数字)は,中規模校が約52%,大規模校が約44%であり,評価結果資料の利用さえもまだ不十分な現状のようである。年代別にみると,1(丸囲み数字)については差がみられないが,2(丸囲み数字)では20代,40代,50代が比較的高く,3(丸囲み数字)では40代,50代が低いことから,校内研究の評価結果の活用をもっと推進していかなければならないであろう。男女別では,3(丸囲み数字)ほ男子が約18%,女子が約8%,2(丸囲み数字)は男子が約38%,女子が約62%と女子教員の評価に対する意識が低いとみることができよう。(資料略)
これらのことから問題点の要因として,高等学校の場合,校内研究の評価に対する組織的な取り組みが少ないために,評価結果の活用に対する認識が低いのではないか。学校の実態にあった校内研究の評価の研究が不足しているのではないか。評価に関して教員間の意志の疎通が図られていないのではないか。などが上げられよう。
これからの改善の方向としては
○ 評価を活用し合う態勢を意図的につくること。
○ 学校の実状にあった目標に対する評価の視点を明確にすること。
○ 形成的評価,グループによる評価など効果的な評価の仕方について工夫改善し,結果の分析をも進めていくこと。などが考えられよう。