研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -029/126page

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  個人研究の成果活用意欲・態度
問 19 あなたは,個人研究の成果を校内研究に生かしていますか。
 図−24                         N= 89
図−24

 < 考 察
 全体傾向から見ると,1(丸囲み数字)の「個人研究の成果をなんらかのかたちで……」が約62%であり,4(丸囲み数字)の「……成果を積極的に生かしている。」の約11%を合わせると73%にもなり,多くの教師は個人研究を積んでいることがうかがわれるが,4(丸囲み数字)が約11%と少数であることから考えると個人研究の成果が校内研究に十分に生かされている現状ではないとみることができよう。3(丸囲み数字)の「個人研究をやっていない……」が約11%もあり,研究の必要性から言えば問題であろう。2(丸囲み数字)の「……特に生かそうと思わない。」が約7%あることは,個人研究の内容と校内研究の内容との関連性が薄いためではなかろうか。規模別から見ると,4(丸囲み数字)が小規模校でさえも約25%程度であることは,意識は低いとみることができよう。3(丸囲み数字)からは規模が小さくなるほど個人研究をしていない教師が多くなっていることが分かる。年代別に見ると,1(丸囲み数字)は30代が低い。4(丸囲み数字)は全体的に低く,高いところの50代でも約17%にとどまっている。3(丸囲み数字)は研究をしていない教師が各年代とも約8〜14%であり,中でも30代に多く・この項目では全体的に30代の教師の意欲が不足しているとみることができよう。

 これらの問題点の要因としては,校内研究が規模の特性に応じたものになっていないためではないか。個人研究の必要性の認識が不十分なのではないか。校内研究を深めるための個人研究の重要性がよく理解されていないためではないか。等が考えられる。

 したがって,改善の方向としては,
○ 校内研究に関わるりーダー的立場の教師の積極的な推進。
○ 校内研究の目標・分担などの再検討。
○ 定期的な検討会を持ち自己啓発を図る配慮。
○ 個人研究の必要性を認識させること。等が考えられよう。


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