研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -030/126page
学校の研究組織こ対する満足度
問 21 あなたは,あなたの学校の現在の研究組織をどう考えていますか。(該当全項目選択)
図−25 N= 89
< 考 察 >
全体的には,1(丸囲み数字)の「全員で助け合い……行きわたる指導の方策……」が約63%,2(丸囲み数字)の「……全員で話し合って作ってもらいたい……」が約52%,9(丸囲み数字)「研究内容や方法によって変わる組織でもよい……」が約43%であり,現在の組織に満足が得られていないのではないかと思われる。また,5(丸囲み数字)の「……協力態勢もでき,よい組織だ……」が約18%,7(丸囲み数字)の「……適切なリーダーがいてよい組織だ……」が約14%と少ないことからも満足していないことがうかがえる。規模別にみると,2(丸囲み数字)が小規模校で約25%,中・大規模校はそれぞれ約61%,約54%と規模の大きい方が満足度が低い。また,7(丸囲み数字)は中規模校が高いとはいえ約25%であることは,よいリーダーを必要としているためと考えられよう。
年代別にみると2(丸囲み数字)は年代の高い方が組織をつくる上で話し合いを望んでいる。また,7(丸囲み数字)は20代が25%あるが,40代で0%,30代,50代でも17%以下で年代別の満足度がわかる。
男女別にみると,5(丸囲み数字)は男子教員約17%,女子教員約23%。7(丸囲み数字)は男子教員約11%,女子教員は約31%で,男子教員の満足度が低い。また,9(丸囲み数字)は男子教員が半数近く組織を変えることもよいと考えている。(資料略)
これらの問題点の要因としては,協働意識が低いのではないか。希望を考慮した係の決め方などの手続きが円滑でないのではないか。などが考えられよう。
したがって改善の方向としては,
○ 組織運営計画においての共通理解をはかる。
○ 係分担は本人の希望や適材適所を考え,話し合って決める。
○ 校内研修の成員としての意識を高める。
○ リーダーが意識の高揚に努める。
○ 組織の形態と運営の仕方の工夫などが考えられよう。