研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -031/126page

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 4.  小学校・中学校・高等学校を比較しての問題点と改善の方向

  校内研修の時間確保の実態
問 6 あなたの学校では,校内研修の時間をどのようにして確保していますか。多く行っているものを,2つ運んでください。
 図−26                         N=510(小308,中113,高89)
図−26

 < 考 察
 1(丸囲み数字)の「月・週の行事計画に……」は,小・中学校が約95%,約81%と高く,教育課程編成時にほとんどの学校で,すでに校内研修の時間が位置づけられていることがわかる。これに対して高等学校は,約29%と低くなっている。しかし2(丸囲み数字)の「会議や行事などの……」は,高等学校が約39%,6(丸囲み数字)の「学年・教科などブロック研究……」で約42%7(丸囲み数字)の「行事の少ない時期……」で約34%と,小・中学校より高くなっていることから,研修時間は学校としても計画はするが,それよりは,教員個人または学年・教科などのブロックにまかされている傾向が強いとみることができよう。

 また小・中学校の場合,1(丸囲み数字)の「月・週の行事計画……」が高いのに加えて,更に2(丸囲み数字)の「会議や行事……」5(丸囲み数字)の「研修内容・方法の工夫……」6(丸囲み数字)の「学年・教科などブロック……」が高くなっているのは,月・週の研修時間は,全職員による全体研修時間であり,そのほかに個人やブロックで研修する時間が更に必要であることを示しているように思われる。

 改善の方向としては,9(丸囲み数字)の「特に確保していない」学校をなくす意味でも,校種別を問わず,
○ 計画的に研修時間を確保し,その時間は,全員参加のもとに確実に研修に活用する。
○ 学年・教科等が自主的に行うブロック研修も積極的に計画し実施する態勢をつくる。
○ 学校や学級の事務内容や量を精選し,研修時間が確保しやすいように配慮する。などが考えられよう。


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