研究紀要第71号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第1年次」 -037/126page
られるのが特徴である。
● 要因としては,部活動重視傾向と事務量の過多係主任のリーダー意識の低さと推進内容の不明確さ等が考えられる。○ 係として分担した仕事に対しては,自分で処理しようとする傾向がみられる。また,協議会への参加態度は,「資料を見直す程度」,校内研究が中止になると「事務処理や部活動に」と回答するなど意欲は十分といえない現状である。
高等学校
● 要因としては,成員としての自覚と意識の低さ,校務の煩雑さと不能率処理等が考えられる。< 課 題 > 改善の方向
○ 学校体制としての個人研修の位置づけと個人研修の内容・方法等の具体策の整備充実が必要である。
○ 事務量の精選・効率的処理のための学校としての工夫・改善に更に努力する必要がある。
○ 係としての仕事内容の明確化と他の係との連携を図り,推進できる体制づくりに更に努力する必要がある。
○ 成員の協働意欲を高めるリーダーとしてのあり方,具体的な手だてを工夫・改善する必要がある。2. 日々の指導に結びつく授業研究会,個人の参加意欲
「 現 状 」
○ 授業準備時の態度は「時間の許す限り努力,資料を個人で購入・工夫して教材作成」等工夫・改善に努力していることがわかるが,「現在あるもので間に合わせる,他の先生がつくったものをそのまま使用」の回答があることは問題であろう。特に,「…間に合わせる」傾向は,年代が若いほど多くなり,女子教員より男子教員が多くなることがうかがわれる。
小学校・中学校
● 要因としては,教師としての授業観や使命感の不足,教材教具等を授業に生かしたときの効果に対する理解不足等が考えられよう。○ 自分が研究授業をすることになった時の態度としては,「できるだけ準備をして,教材研究を十分にして」と意欲的であるが,授業準備品の不足のときには,「現在あるもので間に合わせる」傾向があることは問題であろう。
高等学校
● 要因としては,教材研究が教授内容の研究に傾斜し,生徒の活動を重視した多様な教材備品の活用法にまで至っていないためと考えられる。< 課 題 > 改善の方向
○ 教材備品を授業で活用する方法を意図的に設定して研修する等の工夫・改善が必要である。
○ 教科部会等における教材・教具開発と累積活用の態勢づくりに努力する必要がある。
○ 学校経営全体を通して,教師の使命感の醸成に努める必要がある。3. 協働意欲を高める配慮と個人の努力の程度
「 現 状 」
○ 校外研修会への参加をすすめられたときは,大部分の回答が「役に立つと思い参加する」であった。しかし,少数ではあるが「希望しないので遠慮する。希望はしないが参加はする」という回答もみられたことは問題であろう。
小学校
● 要因としては,広く識見を求め,授業に生かそうとする意識の高揚策と学校の研修体制に問題があるものと考えられる。○ 校内研修に参加してよかったと思うときは,「その内容が自分の授業に生かせるものであったとき」と大部分が回答しており,校内研修と授業との結びつきを望んでいる。しかし,個人としての努力は「個人の考えを準備して参加」が少なく「係から充実策が出されるまで待つ」が多い回答であり,意欲的であるとはいえない現状である。
中学校
● 要因としては,校内研修と授業との結びつきの希薄さ,全体の意欲向上策の不備等が考えられる。○ 校内研究を充実させるための努力や校外研修
高等学校