研究紀要第72号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第1年次」 -051/126page
<図 1−10>教科別内訳
- 小学校の「いつも行っている」と「行っていることが多い」を合わせた割合が,中・高等学校に比べて低い。
- 大部分の教科で情意面の評価を行っている。評価を比較的行っていない教科として,中学校では社会,高等学校では社会,数学,外国語があげられている。
・ 考 察
学習指導の現状については,−斉指導が主であると答えている教師が大部分を占めている。これは,学校における現在の学習状況を率直に示したものといえよう。
基礎的・基本的な内容のとらえ方としては,「知識・理解」「技能」にとどまらず「関心・態度」まであげた教師が過半数を占め,よい傾向を示している。このことは,「関心・態度」の育成の必要性が認識されていると思われる。しかし,その指導が十分にはなされているとはいえない。このことは,「関心・態度」の指導の困難さをものがたるものであろう。
基礎的・基本的な内容の定着を図るために,小・中・高等学校とも一斉指導が中心であるものの,教師の意識としては,個別指導など児童生徒の個に応じた指導を重視していかなければならないとともに,教材の精選に努めようとする姿勢がうかがえる。
このように,基礎的・基本的な内容のとらえ方については,「関心・態度」まで含めた適切な判断をくだしていると思われるものの,「関心・態度」の指導と評価,更には個別指導の研究が求められているのではないだろうか。