研究紀要第73号「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -095/126page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

基本的対応 具 体 的 対 応 対    応    例
(2)
具体的な指導計画を立てる
 イ 専門機関との連携の必要性を判断する。
 ウ 主な対応をきめる。
 エ 場所,時間をきめる。
○ 医学的な診断が必要なのか,学校では対応しきれない問題行動であるかを判断する。
○ 上記の事例でほ,行動療法における形成化法を用いて登校指導をしている。非社会的行動を持つ児童生徒に対する主な指導援助の方法として,カウンセリジグ,遊戯療法,自律訓練法,行動療法,ロール・プレイングなどの心理療法がある。
○ 前記の不登校の事例
 ・ 担任は,退勤時,家庭訪問し家庭や本人との結びつきを強める。
 ・ 2週間に一度両親の来校を促し,面接をする。

 ● 指導体制
 非社会的問題行動はその背景が複雑なため.多様な対応が要求され,一人では対応しきれない場合が多い。そのため,学校として指導体制をとり指導援助の効果を上げる必要がある。
基本的対応 具 体 的 対 応 対    応    例
(1)
校内組織を整える
1 校内の指導態勢を整える。
 ア 親しい先生や養護教諭,教育相談に詳しい先生の助言や援助を求める。
また求められたら進んで協力する。
 イ 学年の一員として指導援助できる態勢つくりを働きかける。
○ 「○○先生,私の学級のA子なんですが,最近,登校をしぶっているらしいので,不登校のはじまりではないかと思うんです。どんなことに注意すればよいでしょうか」
○ (養護教諭に)「先生,私の学級のB男ですが近ごろ,おなかが痛いといって保健室に行っているようなんですが悩みがあるかもしれませんので聞いてもらえないでしょうか」
○ (学年会の折りなどに)「私の学級のC男の場合のように,心配な生徒について,学年でお話していただいて,学年として指導していただけると助かるのですがどうでしょうか」
2 校内組織を整備するように働きかける。
 ア 教育相談係を分掌組織として設けるように働きかける。
 イ 教育相談係の活動を援助する。
○ 「いろいろな問題行動を持つ子供が多くなってきたようですが,学校で教育相談係などを設けてみてはどうでしょうか」
○ 「教育相談係などを中心に指導するようにしませんか」
(2)
校内組織を積極的に生かす
1 情報の交換を積極的にする。
 ア 授業,生活などから得た情報を提供し合う。
 イ 保健室からの情報を提供する。
 ウ 外部から得た情報を提供し合う。
○ 「先生の学級のA子さん,最近,一人でいる時が多いようだけどどうしたのかな」と職員室で担任にそれとなく話す。
○ 「気がかりな子供についてお話しませんか」と生徒指導関係の打合せ日を生かして情報交換をする。
○ 「私の学級のA子ですが,授業中,ぼんやりしてませんか」
○ (保健室で見られた子供の様子,健康状態,出欠状況について該当の担任に)「先生の学級のB男君,月曜日になるとおなかが痛いと言って来ますが,学級での様子はいかがですか」
○ 「このあいだ家庭訪問した時間いたのですが,先生の組のC男君が最近お友達と遊ばなくなったそうですが,何かあるんでしょうか」
2 組織における分担を明確にするように働きかける。 ○ 分担をお願いする例
 ・ 教育相談係,学年主任 外部や地学年との連携,心理検査
 ・ 担任 指導援助
 ・ 養護教諭 保健室での指導援助,状況把握
3 組織の計画に従って指導援助をする。
 ア 分担に沿って指導援助する。
 イ 指導援助の経過を報告し,その都度協議して更に指導援助をする。
○ 担任として,組織の分担に従って.直接本人や家族にカウンセリング等により指導援助をする。
○ 「手分けしてど指導お願いしましたことについて.どんな状況でしたかお聞かせいただけませんか」
○ 「ご指導いただいたことについて協議いただきましたので,それに基づいて私は今後○○○の指導をしたいと思います」


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。