基本的対応 |
具 体 的 対 応 |
対 応 例 |
(2)
問題行動の原因を把握する |
1 収集した資料の関連づけを図る。 |
○ 多次元診断マトリックスなどを作成し,各次元の要素間の関連を図る。
多次元診断マトリックスの例(本研究紀要 事例 3 参照)
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2 素因(問題行動の最も基になる要因)に関することを明らかにする。 |
○ 素因や素因を形成する要因について調べる。
・ 研究紀要 第70号 P6 不登校の事例では次の通りである。
本人の性格 …… おとなしい,き帳面,自己主張少ない など
性格形成に及ぼす養育態度 …… (祖父)溺愛(祖母)過干渉(父)放任(母)放任など |
3 誘因(問題行動の直接の引き金となる要因)を明らかにする。 |
○ 誘因について調べる。
・ 問題行動発生時以前の学校や家庭でのエピソードを調べる。 |
4 発生のメカニズムを明らかにし診断する。 |
○ 前記不登校の事例
(前略)…… このようなことはA男にとって初めてのことであり登校に対して大きな不安を引き起こすものとなった。そのため母親にまつわりつくことでその不安を解消しようとした。……(中略)……ついには,学校に行かないということで心の安定を保とうとした。このような気持ちの背景には……(後略) |
※ 診断の根拠となっている資料が存在するか検討し,診断の適切さを判断する。 |
指 導 仮 説
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(1)
見通しを持つ |
1 改善された子供像を想定する。 |
○ 不登校が改善された子供像(例)
・ 登校できる。
・ 身体症状が消失する。
・ 性格に明るさが見られるようになる。
・ 思考に柔軟性が出てくる。
・ 積極性が出てくる。
・ 忍耐性が出てくる。
・ 交友関係が広がる。など |
2 問題行動の核心となる要因の解決策を立てる。 |
○ 前記不登校の事例
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(2)
具体的な指導計画を立てる |
1 対象別の指導内容を明確にする。 |
○ 前記の不登校の事例
・ 本人に対して …… 当面は登校刺激を与えない。
・ 家庭に対して …… 家庭訪問により家庭との結びつきを強め次の取り組みが家庭においてできるようにする。
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当面の間,家庭でも登校刺激を与えないようにする。
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父母は本人の気持ちを十分に理解し,受け入れるようにする。
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祖父母は,「良い子」「成績の良い子」であるということを本人に対して言わない。
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祖父母中心の養育から両親中心の養育へ切りかえる。
・ 学級に対して …… 本人の交友関係を深める援助をする。 |
2 指導援助の方法を明確にする。
ア 指導分担をきめる。 |
○ 前期の不登校の事例
・ 校長:関係者への指導助言
・ 教頭:指導方針,全体掌握,両親への指導
・ 生徒指導主事:指導計画立案
・ 担任:本人や家族への直接的アプローチ
・ 職員:登校プログラム実行への援助 |