研究紀要第75号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -055/137page
《2》第二次実践〔「想像を広げて」〕を通して
「よさ」を育てる個人カルテ 5年1組20番 氏名 F.S
作文学習段階における「
よさ
」
の生かし方構想表から作品を作る(基礎的・基本的な内容) 「個のよさ」を生かす手だて
題材に対する見方や考え方と物語の書き方(「よさ」) 題材設定
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主題メモ
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構想を練る
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物語作成
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読み合い
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文集作成題材名(タニシとメダカ) ○休み時間や放課後になると,学級で飼っているメダカとタニシのところに行って一人後言を言っている。
F子には,最適の題材である。○中心になる出来事がしっかりしている。これに比べて主題意識がいま一つである。あまり教訓的にならないよう指導する。
○題材設定,主題メモ作成の段階で,頭の中に構想ができていたようである。
構想表に書くことによって,より明確になるようにさせたい。○題材選びの段階の一せい学習で範例として取り上げる。
○題材メモの書き方のすばらしさを,グループ指導の中で取り上げる。(動物好きな点と発想が実にユニークな点,などについて特に)
○全体で作品を読み合ってまとめる段階で,特に個性がよくでている作品として取り上げる。
○題材メモが実によく出来ていて,「メダカがちょこちょこおよいでいてかわいい」とか,「タニシはゆっくりで,ぶきみだが,じっとみているとあいきょうがある」等の見方,観察力が生かされるように援助する。
○書き方に「おもしろいように書きたい」とある。
この内容をもう少し掘り下げ,場面設定や登場人物の関係,話の展開のおもしろさ等,構想表作成段階で指導することと,文体や語句の使い方等,記述段階で指導することを整理しながら個別指導を行う。○日常生活でよく使用している,力強い言葉やユーモアある話し方等が物語の中に生かされるよう指導する。
特に会話文の使い方などに。
グル|プ内での相互評価 友達から見た「よさ」 ア.作品に対する感想 イ.構想表の観点と作品との対応 ウ.自分なりの見方や考え方と物語の書き方 書
い
た
人
の
名
前Y・S タニシとメダカを題材にしてこんなにおもしろいものをつくるなんてすごい。 ヤゴとミジンコとミカヅキモのぎゃくしゅうがよく出ていた。 おもしろく書くのが,F子さんらしさが出ていたと思う。 A・O メダカの大きさやお話がとてもおもしろい。 構想表とお話がとてもよくつながっている。 音の表し方,書き方がとてもF子さんらしい。 M・M とてもユニークな考えの物語だった。 あらすじが物語の中にとてもよく表れている。 F子さんは動物が好きで,とてもくわしい。 自分のコメント おもしろくできたと思う。 なまけもののりょうしのところがよく出るようくふうした。 動物のことでおもしろく物語が作れた。
おもしろくできた。(特にミカヅキモのぎゃくしゅうのところ)教師のコメント とてもおもしろいお話だね。まるで「うらしま太郎」みたい。でもこれはF子さんのオリジナルだね。 場面設定や,あらすじ,人物などが物語の中によく生かされているね。 動物が大好きで,読書家のF子さんにしか書けない物語だね。いせいがいいところもF子さんらしいね。