研究紀要第76号 「情報活用能力の育成に関する研究 第1年次」 -098/137page

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ものの方が,ラジオなどよりも利用度が高い。 これらはほぼ予想どおりとなっている。

 学習や進路に関する情報収集については,小学校では親と先生から情報を得ている割合が多く,中・高校へ進むにつれて参考書や先生及び友人・知人に相談するものが高率を示していることが分かる。

 このことから,小学校では学習の情報を与えるうえで親や先生が重要な役割を担っていること,更に中・高校へ進むと身の回りの信頼できる情報手段を求めるようになることなどが推測できる。

 一方,地域(市部と郡部)による違いについて全体的にみると,中・高校の段階で友人・知人から情報を得ている割合は,郡部より市部の方が高く,小学校の段階で,情報を得ている手段の順位や割合にやや差がみられることを除いては,市部と郡部との間に大きな差異はみられないようである。

 次に,図−6から児童・生徒が情報手段をど のように活用しているかについて分析してみた。

 情報機器の使用経験でみれば,その割合の最 も高いのはファミコンである。(80%以上)以 下ビデオ,パソコン,ワープロ等の順に使用経 験をもっている。

 情報ネットワーク,ファクシミリ等は,機器の使用経験があまりないと考えられるが,電子手帳などは,市場への供給増によって今後利用度がかなり高くなっていくものと予想される。

 情報機器の地域別の使用経験では,全体的にみると市部が郡部を上回っている。

 更に,図−6に部分的に掲載した,使用経験 のあるものの中の使用頻度をみてみると,ビデ オとファミコンが「時々使う」と「いつも使う」 とを合わせて70〜80%と最も高い。以下パソコ ン(同じく50〜60%),ワープロの順となって おり,映像を利用したファミコン,ビデオ,パ ソコンなどの情報機器は,かなり低年齢層から 使用経験をもっていることが分かる。

 また,図−6に示したグラフ「パソコンの使 用目的」をみると,ゲームとして使用する割合 が最も高く,高校でも70%代になっている。

 ゲーム以外の目的で使用している割合は10% 以下(高校を除く)であり,特に,小・中学校 の授業等でははとんど使用されていないのが実 態のようである。

(3)情報と児童・生徒の学習環境

 今回の基礎調査の結果について,その全体的傾向を以下にまとめる。

《1》 発達段階からみると,小学校低学年(4年 以上)頃から,必要な情報を的確に得るため の手段を自ら選択しはじめているようである。 

《2》 地域的にみると,情報手段を活用すること については,市部が郡部をやや上回っている が,情報源をどこに求めるかについてはあま り差がみられない。

《3》 映像を利用した情報手段(ファミコン,ビ デオ,パソコン等)の使用経験を持つ割合が かなり大きく,今後授業などで活用することが 十分期待できる。(ファミコン等は低年齢児 童からすでに使用している。) 

《4》 パソコンの利用度は,他の情報機器と比較 してかなり低く,今後の設備面の充実及び利 用方法の工夫などにより,十分活用できるよ うな配慮が必要である。

 これらのことから考えると,現在の児童・生徒を取りまく学習環境には,子どもたちが必要なときに必要な情報を活用できる情報手段が,数多く存在していると言うことができる。

 特に,映像による情報機器が利用されている実態や,多様な情報手段が導入されている社会環境などからみても,パソコン等を直接手に触れさせ,情報を活用させるための環境的素地を学校教育の場にも形成していく必要があると言えよう。

4.情報活用能力の育成された状態像とその評価

 本研究を進めるに当たって最も重要なことは,


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