研究紀要第76号 「情報活用能力の育成に関する研究 第1年次」 -103/137page

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(2)研究の視点

 評定尺度 II の調査結果から,このクラスは「情 報の創造力の形成」及び「情報手段の理解と操作 能力の習得」に関する要素が陥没していることが 分かったが,特に,その中で情報機器の操作が最も 低く,平均1.65となっていた。

 そこで,本時は学級指導における「進路指導… 学ぶための制度と機会」の授業において,まず生 徒一人ひとりにコンピュー夕を自由に使用させ,キ ーボードの基本的な操作を体験させることにした。

 この操作を通して必要な情報を収集・選択させ, 自分の参考資料としてまとめさせるようにすれば 「情報手段の基本的操作能力《12》」の向上とともに, 全体的にやや低い状態にある要素「情報の収集《1》 情報の選択《2》,情報の処理《3》,情報の創造《4》,情 報の伝達《5》」を向上させることができるものと考 えた。

(3)情報活用能力の育成プロセス

 次に,「学ぶための制度と機会」の授業の指導 過程と情報活用能力の育成プロセスを関連させな がら,吟味した点を述べる。

図-8 情報活用能力の育成プロセス
図-8 情報活用能力の育成プロセス

 なお,本研究では情報活用手段を「人」…教師 保護者・生徒,「物」…施設設備・教材教具・コ ンピュータ,「組織」…学校・学年・クラス等に 分けて明確化をはかっている。(詳細は図−1参照)

 情報の種類では,中学生として最も関心の高いと思われる「進路に関する情報」を取り上げた。

《1》 課題の把握 ≪課題の発見≫

○ 教師が本時の課題「高校の学科の特徴を知る」を提示する。↓ [情報活用手段 人…教師]
○ 先輩の話を聞き,進路についての意識を強め本時において調査する観点をつかむ。↓ [情報活用手段 人…先輩]
[ 〃       物…録音テープ]

○ アンケー卜の結果から学級の様子を知り,課題解決のために見落としてはならない調査の観点を確認する。↓ 

[情報活用手段 人…教師]
[ 〃       物…コンピュータ]
[ 〃       物…教師自作ソフト]

《2》 高校の学科の特徴を知るための調査 ≪解決のための情報活用≫

○ コンピュータから自分 の希望する高校について の情報を引き出し,検討 する。↓ [情報活用手段 物…コンピュータ自作ソフト]
○ 学習内容や卒業生の進 路を中心に,学料の特徴 について話し合い,まと める。↓ [情報活用手段 組織…クラス]
○ コンピュータは項目ど との検索もできることを 聞いて,実際に各学科の 特徴をフイードバックし  

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