研究紀要第76号 「情報活用能力の育成に関する研究 第1年次」 -105/137page
展開 3.高等学校の学科の特徴の把握
- 《1》 主にコンピュータから引き出したさまざまな情 報をもとに高等学校の学科の学習内容や特徴につ いて情報を整理する。
- 普通科
- 商業科
- 工業科
- 国際情報科 等
- 《2》 話し合いによって,出された情報をもとに重要 点を記録する。
- 先生からの話
- 重要点の記録
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○ 自分で検索した情報を交換し合う ことにより,自分で知り得なかった 情報をさらにまたコンピュータで検 索しようとする意欲を高める発展性 を持たせる。
○ 農業科,家庭科等については次の 職業科全般にふれる授業で,さらに 内容を補い,深めながらあつかう。
○ 話し合った点で大事なポイントは 教師側から強制的にコンピュータ画 面に表示する。
○ 発表された順で学科の特徴をおお まかにまとめていく。
○ 項目ごとの調査検索可能であるこ とが気づかない生徒には知らせる。
△ 情報を比較,分類し伝 達させる。 (情報の創造と伝達能力の育成)
△ 抽出生徒を活動させ,情報収集や処理の状況を 把握し,次の生徒の活動に生かす。
(情報の解釈程度の評価)△ コンピュータから項目 ごとに自分で必要な情報 を自由に引き出させる。 (情報機器操作能力育成)
● コンピュータの操作が スムーズにでき,学科の大まかな特徴がわかったか。
終末 4.今後,高等学校を選択する場合の注意事項
《1》 高等学校を選ぶ場合,どんなことを考えなけれ ばならないか,先生の話を聞く。
情報
学科の特徴 収 集 の必要性
希望職業 本人の適性 保護者の希望 費用面,その他
《2》 これからの学習予定を聞く
○ 進路選択や計画にあたっては,憎 報を収集することの重要性や情報を 受け止め幅広い視野を持つことの必 要性にふれる。
○ 内答の細かい点は3年で学習する のでかんたんにふれる程度にする。
○ これからの学級指導の予定を3年 生の学習内容も含め,進路計画の大 まかな予定を話す。
△ 今後の方向づけに関す る情報を提示し,中学校 での進路の判断には情報 は必要不可欠のものである。
(情報処理能力育成,情報化社会の認識)● 今後の学習方向をつかみ,意欲の高まりが見られるか。
(2) 授業の展開
《1》 コンピュータの活用及び操作
事前調査の結果から全体的にコンピュータの操 作能力が低いと考えられたため,事前指導として 授業前日に授業とは別のソフトを用いて,教育セ ンターでパーソナルコンピュータの基本操作を約 30分程度行った。はじめはやや緊張ぎみであ ったが,簡単なキー操作で様々な画面が出て きたり,画面の問題に対する生徒の答えが正解の ときにはコンピュータが即座に反応するなど,コン ピュータのはたらきがわかり始めるとだんだん 笑顔が現れ,ペアを組む生徒同士が感想などを話 し合うようになった。また,机間巡視をする教師 に次々と質問をするようになり,教室内に非常に 活気が出てきた。
教師が授業で用いるソフトについては,新鮮な感覚を与えるため,操作についてのみ説明し,内容については一切ふれないようにした。生徒は期待感に満ちあふれていた様子で「早くやってみたいなぁ」という声がそこここにあがっていた。
《2》 課題把握
データベース 特別活動「学級指導……高等学校に関する情報」
1 CAIの型 情報検索型 2 ソフトウェアの容量 760KB 3 フレーム数(画面数) 227 4 検索範囲と項目 (1)検索項目
- ア 県北地区の県立高等学校
- イ 県北地区の私立高等学校
(2)検索項目
- ア 所在地,学科,生徒数
- イ 教育目標,努力目標,ねらい等
- ウ 学習内容,選択コース等
- エ 教科以外の諸活動 (生徒会,部活動,クラブ等)
- オ 高等学校卒業後の進路
- カ 該当中学校卒業生の入学人員
- キ 通学方法
- ク 入学試験の倍率,募集定員
- ケ 授業料,経費,その他
- コ 進路希望調査の結果
(3)検索方法
- ア 各高等学校ごとの校索
- イ 項目ごとの検索
- 例 卒業後の進進路など各高校どうしの比較ができる。
* 生徒は番号(数値)を入力するだけで簡単に検索できる。
図-9 データベース内容