研究紀要第76号 「情報活用能力の育成に関する研究 第1年次」 -107/137page
《5》 項目ごとの検索による学科の特徴の確認
《3》で検索した情報は個々の高校ごとに調査した ものであるが,《4》と同じように強制的に生徒に画 面を送るLANシステムを利用して,一つの項目 については学校別の比較が検索できることを知ら せた。生徒たちからは,「はじめから教えてくれ ればよかったのに」という声もあがったが,その 便利さに驚いていた。
抽出生徒A男(上位)
操作もスムーズになってきて,項目ごとの情報を次々と取り出した。抽出生徒F子(下位)
この操作の方が簡単だったとまわりの級友に話かけ同意を求める。操作は順調である。《6》 まとめと学習予定
進路を決めていくうえで,進路情報が非常に重 要であることを認識させるために,2年生では, 「高校の特色」「その他の教育機関」「自分の特 色を知る」。3年生になっては,「進路選択のた めの条件」「進路先の調査」「進路の決定」等を 学習していくことをまとめて話したが,生徒の表 情は皆真剣そのものであった。
《7》 授業後の感想文から
生徒たちは熱心にコンピュータからの検索を行 い,感想文などから判断すればコンピュータに対 してきわめて良い印象をもったようである。
T彦・H(事前3.8 事後4.3) 驚いたことは画面のきれいさだった。 それにコンピュータは自分の知りたいこと が何でも分かっているように思う通りに出 てきたことだ,感動だった。・・・・・
M代・A(事前3.3 事後3.5) ・・・・・中学年では福島県で初めてコンピュ ー夕室を使うとかいわれた。いろいろな先 生方なども来て,写真やビデオをとってい たので少し緊張したけど,みんなとても楽 しくやっていたと思う。それにこれからの ことを考えて,自分で調べた高校の特色な ど,いろいろな情報を集めることができ良 かった。でも,もう少し時間をかけてゆっ くりとやってみたかった・・・・・
S子・T(事前2.7 事後3.0) 私はパソコンとかコンピュータを使うの は,今まで一度もなかった。それだけに授 業に対する不安もたくさんあった。 けれども,当日説明を聞いて,それから 実際にいじってみて,そんな不安は全くな くなった。美しい画面や文字など本当に驚 くものばかりだった。・・・・・中略・・・・・高校に ついてのいろいろな情報もすごいとおもっ た。なぜならキーボードーつで自分の知りたかったことがすぐわかるからだ・・・・・
(3)授業分析と考察
《1》 評定尺度 II の評定値でみると,上位,中位, 下位と分けていた抽出生徒の自己評価から,事 後の変容は図−10の左に示すように下位に行くほ ど大きかった。
抽出生徒の変容 グループごとの変容
図-10 上位,中位,下位生徒の変容