研究紀要第77号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -115/137page
《3》本人への指導援助
本人への指導援助では図10から,身辺にいて遊んだり気持ちを分かってあげたりすることが効果的である。 更に上手な「励まし方」「諭し方」を工夫して,様々な対応による指導援助が大事である。
また,図11から,「励ます」ことは,生徒の気持ちを軽くし,勇気づけ,情緒を安定させることにつながるので効果的な指導援助のポイントといえる。 また,「諭す」ことも効果的である。
更に,日常さりげない気軽な言葉かけもラポール形成と情緒の安定のために効果的である。
図12から,さらに校種を問わず「努力を認め褒める」「悩み・心配事を聴き出す」など共感的なかかわりが効果的である。 また,「ユーモア・冗談」でかかわることも大切なことの一つである。
児童生徒と教師の両面からみると「褒める」「励ます」というかかわりが予防的な指導援助の大事な要点となってくる。
《4》家庭への指導援助
家庭に対しては,家庭訪問などを通して家庭からの協力を求めることが大切である。そうした中で親の話をよく聴き,その心情を受け止め,情緒を安定させるかかわりが大事になってくる。また,直接,教師から出向いて,親とともに考えようとする姿勢が大切である。
さらに,他の先生の協力を得ての指導援助も効果的である。
《5》学級への指導援助
6ページの図14から,教師の思いやりのある気持ちを基調にして,「席順やグループ編成への配慮」「集団への誘い」「思いやりの行動紹介」などを発展段階に応じて指導援助する必要がある。また,温かい雰囲気の学級集団作りをし,日常,教育相談的な授業をすることも大切である。