研究紀要第77号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -133/137page
(3)問題行動の形成と予防過程
問題行動は,『素因1』に『形成要因』がはたらいて『素因2』が形成され,これに何らかの『誘因』がひきがねとなってはたらいて発生するものと考える。しかし,このとき素因2の形成や問題行動の発生を抑制する力のはたらきがあれば,問題行動への進行を遅らせたり,食い止めたりすることが可能である。
問題行動発生の推移
素因+形成要因+誘因 抑制力 予防援助とは,本人,家族,学級全体への援助を通して,素因の改善や解決,形成要因と誘因の減弱や除去,並びに問題行動の発生をよくせいしている何らかの要因『抑制要因』を強化することである。そのためには,予防的な指導援助に必要とされる各要点をふまえ,その順序に従うことが必要である。