研究紀要第81号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -102/135page
基本的対応 具体的対応 対 応 例 ○定期的な面接やチャンス相談を計画する。
・「今,不安に思っていることはないかな?」「お父さんと衝突する時ある?」6 本人の長所・短所を理解する ○一方的な見方や思い込みにとらわれず,多面的にみる。
(3)問題行動についての理解
主な問題行動やその要因及び発生のメカニズムについて理解することは,問題点の背景に気づいたり,問題行動の予測や適切な予防援助の手がかりをつかんだりする上で大切である。
基本的対応 具体的対応 対 応 例 (1)問題行動の要因や発生のメカニズムについて理解する 1 問題行動の発生と予防過程のメカニズムを理解する。 <要因とメカニズム>
「素因1」:問題行動につながる身体的・生理的な問題点
「形成要因」:問題行動に走りやすい状態を形成する要因
「素因 2」:問題行動に走りやすい状態
「誘 因」:問題行動の直接の引き金となる要因
「抑制要因」:問題行動の発生を抑制する要因
・規範カ,耐性,自尊心 自己決定カ 自己存在感,賞賛等
(2)発達段階に見られる主な問題行動について理解する
1 児童期・思春期に見られる主な問題行動について理解する。 ○揺れ動いている心や傷ついている心の状態を発達期にそって理解する。
<主な問題行動>
不登校,いじめ,恐喝,暴カ、万引き,服装違反,喫煙・飲酒,性的問題,家出.強迫的観念や行為,転換ヒステリー,神経性の下痢・便秘,神経性おう吐,神経性、食欲不振.過呼吸症候群,めまい・立ちくらみ,頻尿,おもらし,おねしょ,習癖、チック,抜毛,吃音,不登校,多動,かん黙,自殺 等
※ 県教育センター発行の「生徒指導・教育相談資料3『先生はカウンセラー』P.38〜参照
(4)問題点の気づき
問題行動の発生を予防するには,問題行動が顕在化しない段階で子供の問題点に気づくことが大切である。日常の子供とのふれあいの中で,わずかな変化にも気を配り,子供本人のみならず家庭環境等いろいろな角度から気づくことが大切である。
基本的対応 具体的対応 対 応 例 1 )身体・生理面の問題点に気づく 1日常の健康状態を観察する。 ○授業・昼食などの学校生活全般の中で観察する。
・「疲れた」等の訴え,顔色,行動の機敏さ,あくび,集中カ、食欲など2養護教諭などから身体・生理面についての情報を得る。 ○保健室の出入り・過ごし方等から様子を知る。
・「頭が痛い」,「気持ちが悪い」,保健室周辺のウロウロなど3既存の資料に目を通す ○出席簿や健康記録表から子供の変化を知る。
2)知能・学業面の問題点に気づく 1子供の能力や現在の学習状況について把握する
2他の教師などから,学習状況について情報を得る。
3既存の資料に目を通す。
※「(2)子供についての理解」の項(P.101)参照
○指導要録や成績記録表から成績の動向を知る。
3) 1 行動の様子をよく観察する。
○日常生活全般にわたり,視点を決めて観察する。
○作文・日記などから知る。
詳しくは☆P89(3)参照