研究紀要第81号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -105/135page

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―予測診断―
基本的対応 具体的対応 対 応 例
1)素因の形成と誘因のかかわりを明らかにして問題行動発生の可能性を予測する 1問題点の気づきと収集した資料を関連づけて,問題行動を予測する。 ○収集した各種資料を関連づけて整理する。  不登校(K男)の例


不登校(K男)の例
2本人の素因と,素因形成に関する部分を明らかにする。 ○問題行動につながる身体,心理,性格,行動の問題点を明らかにする。
・体力がない,緊張しやすい,内気,神経質,友達が少ない。
○問題行動に走りやすい状態を形成する要因をさぐる。
・親の過剰な期待,両親の不和,友達とのトラブルなど。
3問題行動を誘発する可能性のある部分(誘因)を明らかにする。 ○問題行動の直接の引き金となる要因を明らかにする。
・家庭や学校生清で受ける様々なストレス、いじめ,けんか、親や教師のしっ責など。
(2)問題行動を抑制する要因(抑制要因)をみつける 1問題行動への進行を遅らせたり,食い止めたりしている要因(抑制要因)を見つける。 ○問題行動の発生を抑制する要因を明らかにする。
・行動カ、規範カ 自己決定カ、自己主張カ、耐性、 自尊心など。
・担任のかかわり,友人関係、部活動など
・家庭の温かいかかわり
―予防仮説―
1)素因や誘因を改善、解決、除去しさらに抑制要因強化の見通しを持つ 1気がかりな問題点が,改善された子供像を持つ。 ○目指すべき子供の状態像を具体的に持つ
2素因・誘因の改善,解決策を立てる。 ○予測診断で明らかになった素因・誘因について具体的な改善,解決策への見通し持つ。
3抑制要因の強化策を立てる。 ○予測診断で明らかになった 抑制要因について具体的な強化策の見通しを持つ。
(2)本人・家族・学級などに対する具体的な予防仮説を立てる 1対象別の予防援助内容を明確にする。
 ・本人,家族,学級に対する援助内容を明らかにする。
○予防的なかかわりであることを相手に意識させないように努めながら,対象に応じた援助内容を決める。
・素因,誘因の改善,解決策や抑制要因の強化策についての具体的な援助内容を決める
2予防援助の方法を明確にする。 ○対象に応じ,いつ,どこで,誰が,どのように予防援助するか決める


(7)本人への予防援助
 予測される問題行動につながる素因を改善・解決したり,抑制要因を強化して問題行動への増幅をくい止めたりするためのアプローチが大切である。

基本的対応 具体的対応 対 応 例
(1)ラポールを形成する ※「(5)ラポールの形成」の項(P.103〜104)参照

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