研究紀要第81号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -106/135page
基本的対応 具体的対応 対 応 例 ( 2)問題点への気づきを図る 1自分の行動や性格を見つめさせる。
2自分の気持ちや考えを見つめさせる。
3他の人との関係を見つめさせる。
4自分自身をどうしたいか,どうありたいかを考えさせる。○自分のことや自他の関係を洞察させる。
・「自分の性格を,どのように見ているの?」
・「いつも,どんな気持ちになっているの?」
・「00君との関係をどう思っているの?」
・「もしできるなら,どんなことをしたいと思う?」
詳しくは,☆P97(2)参照(3)問題点につながる素因を改善・解決する 1問題行動につながる身体・生理,情緒・性格,生き方・考え方,行動面の問題点を改善・解決する。 (素因1) ○問題行動につながると考えられる素因を改善・解決するために,予測診断・予防仮説の手順をふんで予防援助をする。 2問題行動に走りやすい状態を改善・解決する。(素因2) ○問題行動に走りやすい状態を改善・解決するために,予測診断・予防仮説の手順で予防援助する。 (4)問題行動発生の抑制要因を強化する 1基本的生活習慣を身につけさせる。 ○基本的生活習慣がどの程度身についているかを把握し,一番指導援助しやすいことから始める 2自分自身に自信を持たせる。 ○ささいなことでも,認めたり褒めたりする。 3不安の解消を図る。 ○笑わせたり,楽しいことをさせたりしながら,言いたいことを何でも言わせる。 4目的を持たせる。 ○部活動,進路などを明確にする。(到達可能な具体的なもの) 5規範性を強化する。 ○規範を守った場合には,褒める。しかるときは,き然とした態度で。 6耐性を強化する。 ○我慢することの大切さを,ふだんの会話の中で意識的にとりあげる。
(8)家族への予防援助
親の養育態度や姿勢などは,子供の素因形成・予測される問題行動発生の引き金(誘因)になる場合があるので,これらにかかわる家族の問題にアプローチすることが大切である。
基本的対応 具体的対応 対 応 例 ( 1)ラポールを形成する ※ 「(5)ラポールの形成」の項(P.103〜104)参照 ( 2)問題点への気づきを図る 1家族の資料を収集する。 ※ 「(6)資料収集,予防診断,予防仮説」の項(P.104〜105)参照 2予測される問題点への気づきを手助けする。 ○親が自分から問題に気づき,子供へのかかわり方に気づかせるようにする。
・「そんなことがあったんですか。なるほど」「お子さんのことをよく御覧になっておりますね」(3)問題点の改善・解決を援助する 1 予測される問題点への対応の気づきを手助けする。
ア.良いと思われる対応への認めを行う。
イ.対応の修正は,気づきを原則とする。○現在の対応努力を肯定的に認め,修正したい対応については,気づかせるようにする。
・「なるほど,そうすればいいかもしれませんね」
・「いつも大声でしかってばかりいて……」→「しかってばかり……」→「ええ,それではよくないんでしょうね」2問題点への対応を手助けする。
ア.家族の人間関係や各○家族の一人(母親など)に視点をあてるのではなく,家族全体の人間関係や養育態度なども重要であることに気づかせ,具休的な対応例を提案する。
・「なるほど,00さんは00君をかわいくてしかたないのね」