研究紀要第82号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第1年次」 -014/123page

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〈設問3〉 学校あるいは学年内で「個の理解」や「個を生かす」ために,意図的・計画的な「話し合いの場」を設定していますか。

全体傾向(図3−3)
全体傾向(図3−3)

教職経験別傾向(図3−4)
教職経験別傾向(図3−4)

〈設問4〉 学年や学級の諸活動の中に,一人一人の興味や関心に応じて自己決定して行動する場を意図的・計画的に設定していますか。

全体傾向(図3−5)
全体傾向(図3−5)

〈 考 察 〉

全体傾向(設問3)

 図3−3をみると,3(丸囲み数字)が1(丸囲み数字)を大きく上回っており,定期的な設定はほとんどみられない。

 さらに,2(丸囲み数字)必要に応じその都度設定が約63%で,過半数を占めていることから,中学校においては「個の理解」や「個を生かす」ための意図的・計画的な「話し合いの場」を設定することが困難であることがわかる。

教職経験別傾向(設問3)

 図3−4からわかるように,教職経験が5年未満の教師は,他の年代と比較すると,定期的に場を設定している割合が多いと同時に,計画もなく実施もしていないという回答の割合も高い。

 また,教職年数が多くなるほど2(丸囲み数字)の回答が高く,臨機応変の対応の仕方がうかがえる。

全体傾向(設問4)

 図3−5からわかるように,約63%の教師が2(丸囲み数字)設定していないが重視していると回答している。

 2(丸囲み数字)と3(丸囲み数字)を合計すると約76%になり,自己決定の場を設定していない様子がうかがえる。

問題点
 ○  「個を生かすための話し合いの場」は,意図的・計画的に持たれていないと考えられる。
 ○  学年・学級の諸活動の中に,自己決定の場を設定していない教師が多い。
改善の方向
 ○  「個の理解」や「個を生かす」ための話し合いの場を定期的に設定し,教職経験が少ない教師にも積極的な参加を促し,共通理解を図る必要がある。
 ○  学年・学級の諸活動の中に,意図的・計画的に「自己決定の場」を設定する。

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