研究紀要第82号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第1年次」 -021/123page

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りも個の特性を生かそうとする意識がやや強い。

全体傾向・年代別傾向(設問9)

 どの年代も授業時間以外の「始業前,放課後,休み時間」が最も高くなっている。生徒にとって最も活動時間の多い「教科指導」を個の特性をとらえる場としてあげている教師が意外に少ない。

 「始業前,放課後,休み時間」の次に個の特性をとらえる場は,年代別で違いがみられる。20代がクラブ活動・部活動,30代が学級活動,40代が教科指導,50代がクラブ活動・部活動となっている。

 このことから,年代によって生徒一人一人の特性をとらえる場が異なることがわかる。

〈設問10〉 個の特性をとらえる方法として,特に重視している方法はどれですか。

全体傾向(図4−1O)
全体傾向(図4−1O)

年代別傾向(図4−11)
年代別傾向(図4−11)

< 考 察 >

全体傾向(設問10)

 図4−10からわかるように,2(丸囲み数字)が約76%と高い割合を示している。次いで,3(丸囲み数字)が約20%となっており,1(丸囲み数字)はわずか約3%である。

 このことから,個の特性をとらえるために重視している方法としては,面接,面談,話し合いが大勢を占めているとがわかる。

年代別傾向(設問10)

 図4−11からわかるように,20代は2(丸囲み数字)の回答率が約66%であるのに対して,30代〜50代は80%前後に達している。一方,3(丸囲み数字)については,20代だけが約28%と高く,30代〜50代は逆に約16%と低くなっている。

 このことから,個の特性をとらえるために重視している方法は20代の教師と30代〜50代の教師との間に違いがみられる。

 20代は,学習活動,学習記録・作品,行動の観察等から個の特性を把握しようとする教師が多い。

問題点
 ○  学年・学級経営の上で,個の特性を生かすことの重要性は認識しているが,その実践は難しいと考えている。
 ○  生徒にとって最も活動時間の多い「教科指導」を個の特性をとらえる場としてあげている教師が少ない。
 ○  個の特性をとらえる方法に偏りがみられる。
改善の方向
 ○  生徒の特性をとらえ,生かすための活動を多様な方法で進めるように工夫する。

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