研究紀要第83号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第4年次」 -039/123page
2.算数科実践研究の構想
算数科における実践研究の全体構想を上図のように設定した。この構想に基づいて,単元を通して,指導の段階ごとに具体的な手だてを考え研究に取り組むことにした。
3.算数科における実践研究の内容
研究にあたっては,基礎的・基本的な内容を定着させ,児童一人一人の「よさ」を生かし伸ばすために,中・長期的な展望にたった継続的な授業実践が必要であるという考えにより,今回の実践では領域の異なる二つの単元に取り組んだ。実践では,福島市立鎌田小学校4年4組32名の学級で行った。
(1) 単元の展開について
第1次実践「角の大きさ」の単元においては,単元全体を通して,一つの課題を解決するように単元構成を考えた。更に,問題作りや作られた問題を相互に解き合う発展学習の場を設定した。
第2次実践「小数」の単元においては,1・2時間目に課題解決を行い,この課題解決の応用として3〜5時間目の学習を展開した。更に,6時間目に課題解決への興味・関心を高める学習を行い,7〜10時間目の達成度に応じたコース別プリント学習を中心にした授業につなげた。そして,第1次実践と同様に11・12時間目の発展学習の場を設定した。この二つの実践の指導のねらいと具体的な手だてについて次のページに示した。