研究紀要第85号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -105/123page

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図8【児童生徒】 異なった意見でも,全員で決めたことはみんなと協力することができますか。


棒グラフ1 小学生現在棒グラフ2 中学生現在棒グラフ3 高校生現在棒グラフ4 今後

 図8から,みんなと協力することが「よくできる」「できる」を合わせると,小学生78%,中学生81%,高校生75%である。

 ほとんどの児童生徒が,集団の一員としての自覚を持っているとみることができる。

 今後の「ぜひそうしたい」「そうしたい」を合わせると,小学生90%,中学生86%,高校生83%になる。

 ここからも,協力しようとする気持ちは,一層強く現れている。この意欲をぜひ行動化できるようなかかわりをしていくことが大事である。

≪指導援助の方向≫

 自分が学級や仲間から受け入れられているという気持ちと,学級や仲間の一員として協力しなければならないという気持ちは, 教師と児童生徒,児童生徒相互の心のふれあいから醸成される。

○ 心と心の交流を図る体験活動(グループエンカウンター等)を取り入れ,相互に認め合い,励まし合い,協力し合って活動できるような仲間づくりに努め,そのような中で,お互いの信頼感,自己存在感を持てるようにする。

○ 一人ひとりの目標や役割を明確にし,個に応じた温かい言葉かけをして役割意識を持たせるとともに,達成しようと努力する姿を互いに認め合う雰囲気づくりをする。

○ 「友だちにやさしくした」とか「自分の考えを発表できた」など,日常のささいな事でも大切に取り上げ,賞賛の言葉を多くかけてやる。

○ 学校と家庭との連携で児童生徒の持っている良さを,活動の中から互いに見いだし,さらに伸ばしてやるようなかかわりをする。

○ 友だちの力動関係や学級の雰囲気をより客観的に把握するために「ソシオメトリックテスト」や「雰囲気調査」などの調査・検査を実施し,効果的に活用する。


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