研究紀要第85号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -106/123page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(4)自己理解に関すること

「健康」「安全」「所属と愛情」という条件を満たしている児童生徒は,自分の性格・能力等についての客観的な理解を深めることができる。このような状態が「自己理解している」ということである。また,自己理解の前提として,「周囲から認められている」という意識を持つことも重要である。そこで,児童生徒の自己理解と教師や保護者の関わりの実態について考察した。

図1【児童生徒】 自分の長所(いいところ)を知っていますか。
図1【児童生徒】 自分の長所(いいところ)を知っていますか。

棒グラフ1 小学生現在棒グラフ2 中学生現在棒グラフ3 高校生現在棒グラフ4 今後

 図1から,小・中・高校生とも,自分の長所を「あまり知らない」「知らない」を合わせると48%になっている。しかし,今後の自分を見ると自分の長所を「ぜひ知りたい」「知りたい」を合わせると72%から75%と,かなりの児童生徒が自分の長所を知りたいと思っていることがわかる。

 自分の長所を「ぜひ知りたい」を選んだ割合だけを見ると,小・中・高校生へと進むにつれて減少している。

 図2から,児童生徒に自分の特性を気づかせる教師の指導は,「いつもしている」「つとめてしている」を合わせると61%から73%と,かなりの高率で意図的に行われていることが分かる。

 これらのことから,児童生徒が「自分の長所を知りたい」という強い願いに,教師が十分に対応しきれないでいることが分かる。

図2【教師】 意図的な個別面接のなかで,子ども自身の特性(長所や短所など)に気づかせていますか。
図2【教師】 意図的な個別面接のなかで,子ども自身の特性(長所や短所など)に気づかせていますか。

棒グラフ1 小学校教師棒グラフ2 中学校教師棒グラフ3 高校教師

図3【保護者】 あなたのお子さんは,自分の長所を知っていると思いますか。
図3【保護者】 あなたのお子さんは,自分の長所を知っていると思いますか。

棒グラフ1 小学校親棒グラフ2 中学校親棒グラフ3 高校親


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。