研究紀要第85号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -114/123page
「関心がない」という気持ちを抱いている児童生徒は,小・中・高校生共に20%を越えている。具体的には,「両親」「友人」「教師」「偉人」などを目標とする人,または尊敬する人として上げている。かつては偉大な業績を残した先人達が,「尊敬する人」として子ども達のモデルとなることが多かったが,現代は身近な「親」「友だち」また,情報化社会を反映してか「芸能人」を対象としているものも見られ,現実的な考えが強く,「将来の夢」を抱くようなことが希薄になっているように考えられる。
図4【保護者】 あなたのお子さんは,目標とする人または尊敬する人を心に決めて,その人のようになろうと努力していますか。
小学校親 中学校親 高校親
図4のように,保護者の立場からみて,児童生徒が目標とする人,尊敬する人を心に決めて「努力していない」「わからない」を合わせると,小学校67%,中学校66%,高等学校68%と高い。
これは,日頃,親子で話し合う機会が少ないことや,会話の中にそのような人物が出てこないことも考えられる。そのため,児童生徒は自分の生き方について漠然としかとらえていないのではないかと思われる。
図5【児童生徒】 あなたは,将来の職業や進学したい学校などについて決めていますか。
小学生 中学生 高校生
図5から,「はっきりしている」「考えているが未定」を合わせると,中学生83%,高校生81%の生徒が自分の就職や進学を考えているが,あとの17〜19%の生徒は,具体的に見通しが立てられず,決めかねていると思われる。また,小学校でも68%の児童は考えていることから,発達段階に応じた指導援助を工夫しなければならない。
図6【保護者】 あなたのお子さんは,将来どのような仕事をしたいか,おおよその目当てがあると思いますか。
小学校親 中学校親 高校校親
図6から,「明確に目当てがある」「目当てはある」を合わせると,小学校31%,中学校36%,