研究紀要第86号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第2年次」 -006/109page
視 点 3
認知面に偏ることなく,情意的側面との調和を考えた実践活動のあり方を探ること
それには 3−2
児童生徒自身が自己理解を深め,自己の課題を明確にし,意欲的に自力解決を図る態度を育てる。
そのために 3―2―1
個々のこれからの目標設定や計画作成については,認知的側面と情意的側面との両面からの援助・指導を心がける。
そこで
- 1.目標設定の段階で個別指導し,情意面の目標も設定させる。
- 2.教師の評価や相互評価の結果を本人に知らせ,次の目標設定に役立てる。
- 3.基本的生活習慣や技能について努力すべき点を認識させ,援助指導を行う。
- 4.意欲や興味関心を重視した週案や指導案に改善する。
留意面
- 1−1 目標や計画設定の必要性を十分にわからせる。
- 2 日標や計画を立てられない児童生徒には,相談にのり達成可能な具体的な内容を提示するなどして援助する。
- 2−1 本人に提示するにあたっては,誤解が生じないように留意する。
- 3−1 技能的な面はある程度の練習が必要である。情意的側面の援助により継続させるようにする。
- 4−1 本時の学習内容の必要性を把握させる。課題設定にあたっては教師主導型にならないようにする。
視 点 4
個性豊かな生き方のための基礎・基本の習得を重視する内容・方法を探ること
それには
- 4−1 発達段階や個々の実態に応じて,個性豊かに生きるための基礎・基本を明らかにし,その習得・定着をめざす学年・学級経営を推進する。
そのために 4−1−2
- 基本的生活習慣については,その内容により一斉指導と個別指導を効果的に取り入れる。
- 「知」「徳」「体」のそれぞれの学び方については,発達段階に応じて意図的計画的に指導する必要がある。
そこで
- 1.基本的生活習慣の指導は,児童生徒の発達段階や実態に応じて「型」から入るものと「内面化」を図る必要のあるものとを区別し,習慣化 するまで指導する。
- 2.基本的生活習慣の指導にあたっては,全教職員が共通理解のもとに同一歩調で行う。
- 3.「知」「徳」「休」の学び方については,各教科の学び方や家庭・地域や学校生活を通しての学び方及び体位・体力・健康の向上増進にか かる学び方についての基礎的・基本的事項を押さえて指導にあたる。
- 4.児童生徒の「学び方」や「生活体験」などを発表し合い,互いに学び合える場を設定する。
留 意 点
- 1−1 基本的生活習慣の指導にあたっては,「しつけ的」な内容に的をしぼり,できるだけ少なくする。
- 2−1 教職員によって厳しすぎたり,甘すぎたりすることのないよう足並みをそろえて指導にあたる。
- 2 学校と家庭との間に食い違いが生じないように,「学校だより」などを通して連携を図る。
- 3 基本的生活習慣は指導の効率や効果を考えた場合,集団生活の場で身につけさせるものと個別指導で身につけさせるものとがあるので 最適な方法で実施する。
- 4 指導にあたっては,身につくまで繰り返し指導する。
- 4−1 生活体験発表には,「〜から私が学んだこと」などの内容も含め,学び方の視点が広がるように配慮する。