研究紀要第86号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第2年次」 -011/109page

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  • 運動も得意でないが,学級対抗種目の折り返しリレーはがんばる
  • 学級展では,材料係なので早くあつめる

と設定した。

 また,私の目標を「どんな場面で」「どんなこ とを」「どんな形で」実現したいかに対しては,

  • 企画・合唱コンクール・学級対抗種目の場面で 
  • 企画では,意見を出して話し合いに進んで参加する 
  • 早く歌詞を覚えて人に頼らず声をだす 
  • 学級対抗種目でははずかしがらずに走る  
  • そのために 
  • 自分から進んで活動し家でも練習する 
  • 友達や,見学に来てくれた人たちがすばらしいねと 言ってくれるように展示の材料をそろえる 
  • 自分自身悔いが残らないように実行する

と具体的に設定した。

(学級対抗種目 綱引き)
(学級対抗種目 綱引き)

学校祭終了後,B子は以下のように自評した。

  • 時間がなかったが,協力しあって仕上げる ことができたのでよかった 
  • 合唱コンクールは全力がだせなかった 
  • いつもより積極的に取り組むことができ, 目標の7割くらいは達成できたと思う

(3)変容

【1】生徒の変容

 B子は,「私の目標」で「あまり歌は好きでな いが」「運動も得意でないが」と記しているとお り技能教科を苦手としている。また,行事等にも あまり積極的に取り組むほうではなく,アンケー トでも「学校行事等に参加するにあたっては,自 分の目標を決めても意識しない」と答えた。

 しかし,今回の学校祭では,「人に頼らず声を だす」「はずかしがらずに走る」といった目標を 決め,「どんな形」の中では「家でも練習する」 など,具体的に目標を達成するための手だてを明 確にし,主体的・自立的な活動に取り組もうとの 変容が見られる。その結果,「いつもより積極的 に取り組むことができ目標の7割くらい達成でき た」と充実感を表すに至った。

【2】学級の変容

 「私の目標」については,学級全員が設定した。 学校祭終了後のアンケートによると,87%の生徒 が,「目標を意識し,実行しようとした」または 「実行した」と答え,行事に対する意識の高揚が みられた。

 学級での反省には,

  • 学級がこれだけまとまったのは,はじめてであった。 
  • 学級の話し合いは積極的にできたが,企画 の段階でつまずきがあり,時間がかかった。 
  • たくさんの人が見てくれたので,とてもよ くできたと思う。また,やらなければなら ないことを自分なりに考えて行動できた。 
  • 一人一人が計画に参加し,材料を集め,製 作に参加して,学級展を作り上げることができた。

 などの意見がまとまり,学級として積極的な取り組みがみられ,反省もしっかりなされた。

 生徒の学級に対するイメージの変容を,SD法で調査した。

 「わたしと学級」についての平均は事前2.7,


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