研究紀要第86号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第2年次」 -019/109page
なると考えた。そこで,前期の16の係名を板書し, 係の名称と活動内容に対する意見,新しくつくり たい係についての意見を発表させた。その結果, 後期は,3の係を新設し19の係でスタートするこ とになった。
学習 −郵便
作品 −ペタペタ
本 −アンデルセン
保健 −ナイチンゲール
落し物 −こうばん
クロッキ −同
連絡 −お知らせ
花 −同
しずか 安全パトロール生き物 −スイミ一
黒坂 −クリーン
体育 −筋肉もりもり
運動着 − 同
片付け − 同
給食 − 同
電気 −びかびか
ベルマーク −同
あいのメッセージ「スイミー」「ぴかぴか」など活動内容がすぐ わかる楽しい名前をつけることができた。
【2】その子だけに通じる継続的な言葉かけ
N男は,仕事が嫌いであり,さぼることが多い 児童であった。前期に10回書かせた「気づく」 に,何もないと8回書いてきた児童である。
そこで,郵便係になった後期では,「気づく」 にできるだけ彼の行動を具体的に賞賛し,仕事の 内容についての助言を継続的に行った。2週間は 変化がなかったが,10/14ころから変化が見られ るようになり,10/21になって,自分から漢字帳 を配るようになった。
10/2 だいちゃんに算数ドリルをいわれてやってしまった。 「大ちゃんが声をかけてくれたのですね。今どはN君が声をかけてね。」 10/12 気づくについてせんせいにいわれてやっちゃたです。 「自分からできることは,どんなことかもう一度考えてごらん。」 10/14 本よみカードがなかったと思ったらはこの中にあった。 「そうです。気づきましたか。アンデルセン係の人が今日作ってくれました」 10/1 本読みをわたそうと思ったらだれかがやっていた。 「いつでもだれかがやってくれるだろうと思ってはいけませんね。 はん長のつもりでやってごらん」 10/21 きょうかん字のおけいこちょうをわたしてつかれた。 「ごくろうさん」 10/25 みやざきくんが気づくのプリントをわたしていなかったから,ぼくがわたした。 「ごくろうさま」 11/2 気づくをわたした。 「ありがとう」
以上のような継続的な言葉かけは,N男の活動 に対する意欲づけに有効であった。
【3】帰りの会で活動の様子を紹介
あいのメッセージ係のA子は前期の「気づく」 には何もないと書いてくる日が多くみられた。
10月15日の帰りの会でA子の仕事や「気づく」 の内容を紹介した。以来,休んだ児童や顔色が悪 い児童に対する思いやりの心遣いが見られるよう になってきている。また,「気づく」の内容にも, 成長がみられる。
・・・・略・・・・Hちゃんがおなかがいたいそうだったので とてもしんぱいで,あしたやすまなかったらとてもいいなとおもいながら 一日いました。 「Hちゃんの顔色よくなっかたね。しんぱいしてくれてありがとう。」
紹介されたH子は,次の日A子に対する感謝の 気持ちを書いてきた。
この係は,欠席した児童に連絡のメモを書くことを仕事の内容としていたが,日がたつにしたがって,ポスターを書いて健康を訴えたり,連絡カードを工夫して作成するようになった。
【4】係活動のための教室環境の整備
ア 係活動の発表の場
クロッキー係の児童を進行役にして,児童の作 品の発表会を開催した。係のK男はこの日,次の ような気づくを書いてきている。
きょうクロッキーでミニミニはっぴょうか