研究紀要第86号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第2年次」 -022/109page
成する作品の種類(旗ものか袋ものか),和紙に 措く作品,旗ものの並べ方,形,デザインについ てあらかじめ準備した。
次に,自己決定の場として,どの班に所属するかの決定やどんな絵を書くかを考えさせた。
班構成は,目的別で行ったが,話し合いの後で 別の班への移動を許した。動いた児童は,M子一 人であった。以下は,M子の感想である。
わたしのはんでは,はたものをつくりたいというひとがおおかったので,ふくろものをつくる一ぱんさんにまざることにしました。一ぱんさんにきたときやさしくむかえてくれたのでとてもうれしかったです。つくるときは,みんなできょうりょくしてやりました。形を考えたり色をきめたりいろいろなことを考えたりして,つくっていきました。わたしたちは,一人一つのえを書くことにしました・・・・・略・・・・・ はなびやさんにおもりをつけてもらってうちあげてもらいました。とてもうれしかったです。
【2】花火の打ち上げと一日リーダ
花火の打ち上げは,学級の行事として取り組ん だ。当日は,6発の昼花火を打ち上げ,班ごとに 落ちてくる作品を追いかけた。家庭にも連絡して あり,多くの保護者が校庭に見学にきていた。
昼花火の打ち上げに際しての開会式,閉会式の あいさつは,消極的なY子にやらせ,自信をつけ させることをねらいとした。
わたしは,お礼のことばをいうときにいっぱいドキドキしました。でも,わたしはすこしおさまりました。そしてお礼のことばになりました。わたしは,おさまたとおもったらいっばいドキドキしました。それでお礼のことばをいいました。そして,お礼のことばをいいおわってなんかしらないけれどもう一回やりたいようなきがしました。でも,もういったことをわすれてしまいました。
Y子は,この経験がもとになり,11月の学習発 表会ではナレーターに立候補するまでになった。
学習発表会の後の感想文では,機会があればまた代表になりたいという気持ちを書いている。
一日リーダーの経験がY子に変容をもたらした と考えられる。
【3】自分の成長がわかる記録
花火に対するイメージと感想をカードに思いつ くだけ書かせた。この記録は,イメージマップの 手法を応用したものであるが,2年生では,自分 でカードを分類できないので,教師が行い一人分 を1枚の模造紙にはった。
以下の資料は,R男が書いた3回の感想を簡単 に要約したものである。
8/25 花火大会後 カードの合計10枚
花火の名前 しだれ,しかけ,ロケット,せんこう 4枚 花火の印象 きれい,すごい,楽しい 3枚