研究紀要第86号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第2年次」 -023/109page

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花火の疑問 作り方,打ち上げ方,色 3枚  

10/11 本多氏の話   力ードの合計11枚

わかったこと(らっかさんがわかった) 4枚 
花火の疑問(どうしてできた) 4枚
お礼  3枚

10/15 制作      力ードの合計 27枚

自分の絵についての感想  13枚
   うまくいったという内容  (6) 
   反省,改良点について (7)
打ち上げについての心配 7枚
班活動や友人について 3枚
今後の活動について 4枚

11/1 昼花火打ち上げ カードの合計 26枚

花火があがるまでの気持ち 2枚 
花火を見ての気持ち 7枚
行事に対する感想 8枚
がんばりました 1枚
はじめていおうがわかった 1枚
いおうがへんなにおいがした 1枚
花火師さんへのお礼 6枚

(3)変容

【1】児童の変容

 児童は,昼花火打ち上げ用の作品作りに熱心に 取り組み,生き生きと活動することができた。

 花火に対するイメージは,R男のカードのよう に内容の質,量ともに変容がみられた。特に,体 験をとおしてわかったことや友人の行動に対する 感想が書けるようになってきている。

 Y子は,リーダーの経験により積極的な行野を とるようになった。    

【2】教師の変容

 「地域開発により児童の活動の意欲を高 めることができたが,自分自身も高まることがで きた。班の組み方やリーダーなど固定的にとらえ がちであったが,目的別の班構成や集団の目標と 自分の考えが違うときの方策を準備していく中で, 全体の目標と個人の目標との調和のさせ方がわかっ てきた。 

 また,イメージマップの手法を工夫した結果, 今まで見えていなかった児童の考えがつかめた」

とC教諭は実践の感想を述べている。

(4)実践した内容と各視点の関連

視点

1 2 3 4
内容
教材開発,行事計画

 
地域の人の話

 

目的別班による作品作り

 

花火打ち上げ

 

 
1日リーダー  

 
感想記録

 

   

(5)考察

 本事例は,視点4の「個が生かされる」学習環 境としての物的環境,人的環境を整備・活用する をうけた実践であった。昼花火の作品作りと打ち 上げ大会の開催を通して次の点が明らかになった。

【1】企画・立案の段階

 目的別班構成や自己決定のできる場の位置づけ は,集団の目標と個人の目標の調和を図る上で有 効であった。その際,低学年では自己決定できな い児童のための援助を工夫する必要がある。

 また,行事に向けての作品作りや企画への参加をとおして,学び方を学ばせることもできた。

【2】地域の人との交流 

 地域の文化を掘り起こすことにより,児童の興 味・関心を高める教材開発ができた。

 地域の花火に詳しい本多氏から花火に関する話を聞いたことで,児童の意欲をさらに高めることができた。

【3】一日リーダーを意図的に体験させることに より,自分に対する理解が深まり,集団の中での 積極的な気持ちを高めることができた。


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