研究紀要第89号 「事例に通した教育相談の進め方に関する研究 開発的な指導援助のあり方 第2年次」 -087/109page

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担任として・児童に対する賞賛や認めなどの言葉掛けを,機会と場をとらえて与える。
児童間の協力や励まし合いなどがより活発に行われるように援助する。
長縄跳びでできるだけ続けて跳ぶことができるように,みんなで話し合い,工夫させる。

[3] 実践の経過

(Yグループへの指導援助)

いよいよ挑戦

 昼休みには,男女別に元気に遊んでいた子どもたちも,長縄跳びの時間になると,班別にまとまって座り,何やら作戦を立てている。

 「記録に挑戦しよう!では開始!」の担任の掛け声のあと,3つのグループは一斉に活動を開始する。

まとまりのないYグループ

 Yグループは,話し合いが男女別になっている感じであり,しかも,A子は何も話さずに,女子の後ろで静かに聞いているだけである。

 時間がたってもなかなか立ち上がらず,話し合いは男子が中心になって進められている。すると突然,女子の一人が担任の所に来て,「別の長縄を使っていいですか?」と言い出した。「 とにかく,グループでまとまって跳ぶことが条件だったよね。 」と方法を確認する。しばらくして男子の話し合いの輪に女子が入り始めた。しかし,A子だけが意欲を示さず,離れた所で一人ぽつんとして友達の行動を見ている。A子は縄跳びで失敗して,友達から何か言われることを恐れているかのようだ。

工夫跳びへ

 他のグループは,すでに長縄を使って練習卑し,記録への挑戦を申し出る段階にきているのに,Yグループは一人一人が基本的な短縄跳びの練習をして効果を上げようとしている。

 「 長縄で憤れたほうがいいと思うよ。 」と担任が声を掛けると,男子はB男の発案で,ボールを使ったり方向を変えて跳ぶなどの工夫を凝らして跳び始める。

 面白そうに跳んでいる男子を見て,女子も興味を持ち始め,「私達もいっしょにやらせて?」と言い出し,仲良く跳び始めた。

 男女が一緒にやり始めたころ,A子に「 みんなにボールを出す役をやってみたら? 」と促すと,みんなの顔を伺いながら,おそるおそる取り組み始めた。

 ようやくまとまり始めたかなと思える段階になってきた。

協力への声

 長縄跳びの連続跳びの練習に入り,いよいよ記録への挑戦を申し出るころになってもA子は,グループに入ることを渋っている。

 しばらくして,同じグループの女子3人から,「ねえA子ちゃんもいっしょに練習しよう!できないときは私たちと手をつないで一緒に跳ぼう・・」とやさしく誘われた。

 それをきっかけに,男子からも自然に「文句を言わないから,いっしょにやろう。」などの声が掛かる。冷やかし調に「失敗しないでね。」という声に,「そんなことを言うなよ。」と冷やかした男子をたしなめる声さえ出てきた。

 担任は,「 そうだよな。みんな協力してやるんだったよな。さあ,これからが大事だよ。元気だして頑張ろう。 」と励ますと,生き生きと練習を始めた。

トラブル発生!

 グループで繰り返し練習をして,みんなが跳べるようになり,いよいよ挑戦への本番かという段階で問題が発生した。本番では誰が長縄を回すかということである。これは長縄回しの難しさが分かってきたこと,または失敗すると責任があるという恐れからくると考えられた。いずれにしても,先程まで楽しく練習していた状況が一変してしまったのだ。

 そのうち,男子からB男を指名する声が上がりなかばやけになって出てきたB男は,相手役にC男を指名した。これに他の男子が付和雷同する有様である。そんな男子たちの様子を見ていた女子から非難の声があがった。

 長縄回しに推されたC男は,「女子だっていい


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