研究紀要第89号 「事例に通した教育相談の進め方に関する研究 開発的な指導援助のあり方 第2年次」 -106/109page

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資料 6要点の調査用紙と活用の仕方

1.目的

 開発的な指導援助の6要点「健康」「安全」「所属と愛情」「自己理解」「自尊」「将来への向上」について児童生徒の意識調査を実施することにより,開発的な指導援助の有効性,すなわち,児童生徒一人一人において変容が見られたかどうかを確かめることを目的とする。

2.調査方法

(1)調査項目

 次ページ以降に提示した各要点ごとの調査項目。

(2)採点方法

 5件法。各項目ごとに,好傾向の方から「5」,「4」,…とする。なお,反転項目(得点が逆になるもの)は次の通り。

表1 反転項目
調      査 1 2 3 4 5 6
反転項目記号 2 1・7 11・12 4 3・4・7 ない

(3)得点化

 自己評価の程度を客観的に知る方法の一つとして,素点での比較がある。これは,個人がどれだけ変わったかを知ることができる。しかし,6要点間には調査項目数の違いがあり,また,一般的な自己評価の状態が真申の「3」であるという保障もない。クラス全体の変容や他者との比較をして変容を見る場合には,素点による比較だけでは客観性がない。

 そこで,事前調査で得た平均及び標準偏差(SD)を「一般的な自己評価の状態」と定義することとした(表2)。これと比較することにより,自己評価の程度を客観的に知ることが可能になる。したがって,児童生徒の各要点における自己評価の程度(5段階評定)を知ることが可能となる。例えば,中1の生徒が,調査2において42点であったとすると,表3により,この生徒の自己評価の程度は「4」であることになる。

表2 一般的な自己理解の状態
  調査 1 調査 2 調査 3 調査 4 調査 5 調査 6
平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD 平均 SD
小6 37.1 5.8 38.6 5.0 46.4 9.2 42.4 7.1 47.3 8.5 32.8 7.6
中1 37.0 6.3 39.0 5.1 51.1 9.0 44.6 5.7 49.4 7.9 37.1 6.0
中2 37.4 5.5 40.1 3.8 50.3 8.6 43.6 6.0 49.4 6.4 36.8 6.1
高3 37.6 5.7 40.4 3.4 48.5 6.9 47.1 5.5 52.5 6.6 41.4 4.6

表3 5段階評定の基準点
 <評定の各段階は,各基準点以上を表す>
学年 5段階 調査1 調査2 調査3 調査4 調査5 調査6
小6 5 46 46 60 53 60 44
4 40 41 51 46 52 37
3 34 36 42 39 43 29
2 28 31 33 32 34 21
1 - - - - - -
中1 5 46 47 65 53 61 46
4 40 41 56 48 53 40
3 34 36 47 42 45 34
2 28 34 38 36 38 28
1 - - - - - -
中2 5 46 46 63 53 59 46
4 40 42 55 47 53 40
3 35 38 46 41 46 34
2 29 34 37 35 40 28
1 - - - - - -
高3 5 46 46 59 55 62 48
4 41 42 52 50 56 44
3 35 39 45 44 49 39
2 29 35 38 39 43 34
1 - - - - - -

3.活用の仕方

 (1)児童生徒の6要点における変容の見方

 例として,N小学校のP男の結果を5段階評定のレーダーチャートに表してみると(図1),各調査の変容の程度を見ることができる。

 更に,各調査の質問項目ごとに学級全体の平均を折れ線グラフに表すと(図2は調査3の場合),質問項目それぞれについての変容の程度を見ることができる。


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