研究紀要第90号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第3年次」 -003/117page
IV 研究内容
1 よさを見いだす手だての工夫
次の5つの枠組をもとに,よさを見いだす手だての工夫をする。
(1) 検査・調査によるもの
(2) 自己申告によるもの
(3) 友人申告によるもの
(4) 体験活動によるもの
(5) その他によるもの2 よさを生かし,伸長する支度の在り方の究明
児童生徒のよさを生かし,伸長する支援は学校生活のあらゆる場と機会をとらえ行われる必要がある。また,その方法も多様であり,必要かつ十分条件を有した方法があるわけでもない。本研究では, よさを生かし伸長する支援の在り方を究明するため.次のような視座から研究を進めることにした。なお.このことは本年度研究の中心的内容でもある。
○ よさを認める
○ 自分のよさに気付かせる
○ 自信を持たせる
○ 自分のよさを伸長させる3 個を生かす学年・学級経営アイディア集1日編の作成
昨年度収集・開発した「個を生かす学年・学級経営アイディア集」を学校生活の1日の活動に合わせ.主な事例をコンパクトにまとめ.使いやすくするために作成する。
X 研究の概要
1 よさを見いだす手だて
個を生かす学年・学級経営をするためには,まず, 児童生徒一人一人のよさを見いだしていなければならない。そこで, 従来の観察等の主観に観る手法のみならず, よさを積極的・意図的に見いだす種々の手だてを工夫していかなければならないと考えた。
次に挙げる方法は,教師がよさを見っけられない場合や多面的によさを見いだすとき,あるいは児童生徒が自分自身や友達のよさを把握するときの一つの方法として活用度を高めようとしたものである。
(1) よさのレーダーグラフ (検査・調査)
個性を形成していると思われる特性を,「知的側面,情意的側面,身体的側面」の3側面からみたもので,次のような項目で構成されているアンケート(小学生,中学生.教師用の3種類からなる)を本人,友達(複数),教師の3者が同時に実施し,レーダーグラフに表す。レーダーグラフに表された3者の差異から.それぞれの見方をとらえ直すきっかけにするものである。
○知的側面 : 学習適性・能力・技能・見方・考え方 ○情意的側面 : 性格・性質・気質・気性.感性・感受性・心情・センス.
興味・関心・意志.社会牲・協調牲.人生観・価値観○身体的側面 : 健康・身体的特徴 次の例は.中学3年生のアンケートの一部と」さのレーダーグラフである。
(思考性をみるアンケート用紙の一部)
あなたlまとごっちかな?
あなたは,右と左のとちらにあっていますか。
あっているほうに○をつけてください。(1)あなたはべんきようのとき
1)かんがえるよりからだを
うごかすほうがすき−− 1)しっかりかんがえる 2)あわてんばうでまちがう
ことがある−− 2)あわててまちがうことは
めったにない3)せんせいにさされてもじぶん
のかんがえをうまくいえない−− 3)せんせいにさされるとじぶんの
かんがえをいえる4)ノートはかけばよいとおもう −− 4)ノートのかきかたをくふうし
ている5)けいかくはたてな −− 5)けいかくをたててやる