研究紀要第90号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第3年次」 -018/117page
1) 班活動を通して,「おとなしく協調性がある」というよさを伸長させる。
2) 「いいこと見つけたカード」を活用し,T子によさを発見させる。
3) 「よさのレーダーグラフ」によって,友達が評価しているT子のよさを認識させるとともに,T子に対する接し方を工夫する。
4) 月ごとの生活目標を決めさせ,目標達成のための支援を行い,達成感を味わわせる。
5) 一人一人のよさを「学級通信」に掲載し,自信を持たせる。
6) 帰りの学活で,1分間スピーチを行い,人前で話すことへの自信を付けさせるとともに,新たなよさの発見に努める。
7) 言葉かけなどを通して賞賛と支援をし,自信を持って行動できるようにさせる。(3) 支援の実際とT子のようす
「班活動」
係活動でよさを発揮 月2回,金曜日に班会議の時間を設定し,班内の間遠点や目標,班の活動を決めている。
・ 6月の班会議で 班長に任命した。 初めはいやがっていたが級友から励まされ,班長を引き受けた。イラストが得意なことから新聞係にもなった。
・ 7月13日,班新聞を発行した。大変うれしそうにしていたので, 「立派な新聞ができた,さらに今後もがんばるように。」 と言葉をかけた。その後,自主的に班新聞を発行している。
その他,班目標の反省や問題点の協議などの班会議で司会を務めていて,声も徐々に大きくなっている。
「いいこと見つけたカード」
T子のよさを友達も発見 ・ 7月 「T子さんれ 頼りにみんなの机をそ ろえている のを見た。はかの誰もが嫌がる仕事を自主的に行い立派だと思った。」
・ 9月 「T子さんはそ掃除や奉仕作業をまじめにやっている。」 などが書かれたカードをもとに 「みんないいところはしっかりみているんだね。今後も先頭に立って行動しよう」 などの賞賛の言葉をかけた。T子は素直に受けとめ,うれしそうであった。・「よさのレーダーグラフ」
T子の見方が変わった教師 友達は 「協調性」「感受性やセンス」「やさしさ」など T子が自己評価している以上に高く評価している。したがって,これらの点は 係活動を通して伸長する。
また,T子の「指導性」「明るさ」「活発さ」についての自己評価は,教師の評価より高い。教師は見方を変え,T子がこれらのよさを発揮できるように, 生活班の班長に任命する。
「生活目標設定」
生活目標達成のための支援でよさを伸長