研究紀要第90号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第3年次」 -019/117page
5月 目標が達成できるように励ます。 特に友達を多くつくり仲よくするように話した。
・ 5月30日 自己評価後担任から 「友達と楽しそうに過ごす姿が大変印象に残っています。学校が楽しくなりましたか。勉強も楽しくなるといいですね。」 と記入し, 「がんばれ」 と言葉をかけた。
うなずきながら聞いていた。
・ 6月 自分が達成可能な目標で,自分に今,必要なものは何かを考え目標を設定するように支援した。6月30目 自己評価後担任から
「やや勉強不足です。やる気を出すことこそがT子さんにとって最も必要なことではないでしょうか。来月の頑張りに期待します。」 と記入。T子はコメントを読むのを楽しみにしている様子である。・ 9月 夏休みも終了し,中学生活の総仕上げである2学期,身近な事柄を点検し,目標を設定するように支援した。
T子は次のような具体的な目標を設定した。
・学習課題を忘れずに,授業で少なくとも 2回は手を挙げ,発表する
・起床時間を守り,遅刻をしない9月の自己評価は,両方の目標に対して「A」であった。
「学級通信」
広く家庭によさをアピール 6月13日 T子は,教室に花を持参した。 初めてのことであった。お礼を言うとともに, 「教室に,花を飾ってくれた人」という題で6月の学級新聞に載せた。
恥ずかしそうな顔をしながらも,何度も読んでいる姿が,印象的であった。その後,毎月のように花を持ってきては,教室に飾るようになった。
「1分間スピーチ」
発表に自信を付け,友達のよさを発見 ・ 6月24日 「将来の夢」という題で発表した。声が小さく自信がなさそうであった。
しかし, 皆の前で堂々と発表できたことを賞賛し,「次回は自信をもって声を出そう。」 と支援した。黙ってうなずいていた。
・ 6月2日 「友達」という題で2回目の発表であった。
「友から学ぶことは,大変多い。3年生になってから友達が多くできた。友達とは本当にいいものだ」という内容であった。
発表の声も6月の時とは違い,皆に聞こえるように話した。 自信も付いてきた ようだ。 発表後, 「最近は,学校へ来るのが楽しい」 と言った。
・10月19日 3回目の発表は「部活動について」であった。
「絵が好きで,いろいろな絵を描くこつを覚えていくことが楽しく,美術部に入っている,最後まで頑張りたい」という内容であった。