研究紀要第92号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発 第1年次」 -085/117page
A(生物とその環境の分野),B(物質とエネルギーの分野),C(地球と宇宙の分野)の全区分の集計結果を図1に示した。指導しにくい単元はA区分とC区分に偏っている。
以下に,各区分毎に20校以上の教員が指導しにくいとして選んだ単元とその主な理由を挙げる。(1) A区分について(図2)
A区分の指導しにくい単元とその理由を図2に示した。
3) からだはどのようにうごくか
骨と筋肉との関係をモデルや触感により学習する内容であるが,「骨と筋肉のモデルが学校にない」が主な理由である。5) チョウをそだてよう
6) バッタやカマキリはどうそだつか
昆虫の飼育に関する内容であるが,8)は,チョウを教科書に出てくるモンシロチョウに限定して考えて,「学校の近くに生息地がないので卵を採取しにくい」「キャベツ畑がない」などが理由に挙げられている。6)は「教科書にでてくる不完全変態の昆虫の飼育は難しい」が理由だが,バッタやカマキリは1世代が長期にわたるので飼育が難しいと考えられている。8) 草花は1日の間でようすがかわるか
9) 動物は1日の間に活動がかわるか
動植物の生活リズムを観察して,最終的に人の生活リズムを調べていく単元であるが,「適した教材の確保」と観察が長時間に及ぶため「児童にとって観察・実験が難しい」が主な理由に挙げられている。4) 動物はどんなすがたでうまれるか
15) 動物のめすとおすと,生命のたんじょう
16) 人の女性と男性と,生命のたんじょう
いずれも第5学年の『動物と人のたんじょう』の中の小単元だが,ほとんどの学校で指導が難しい単元に挙げている。14)は動物の生まれるようすを取り上げている単元だが「児童の近辺に直接観察できる(動物の出産など…)場所,機会がない」「資料等を集めるのが大変である」が主な理由である。15)では,「観察場所がない」「資料を集めるのが難しい」「児童にとって観察が難しい」「教材に対する指導力に不安がある」などが挙げられている。16)では「教材に対する指導に不安がある」が圧倒的に多く,性教育とのかかわりでの指導の難しさが如実に表れている。18) 空気中の酸素はなくならないのか
19) 生物にとって水とはなにか
環境教育にかかわる内容で,3〜6年生までの自然観のまとめになる単元であり, 対象が広範朗にわたっている。スケールの大きな事象を身近な事象から理解させるため「児童がとらえにくい内容が含まれる」が主な理由になっている。
(2)B区分について(図3)
B区分は,学年問の移動は多いが新しい指導内容はあまりなく,また実験器具や方法が具体的に示されていることもあって,指導しにくいとして挙げられた単元は少ない。24) 光電池はどんなはたらきをするか
「光電池は高価なため児童数だけ準備できない」