平成5年度 研究紀要 Vol.23 -096/162page
かる。(拡大部分イ)これらの思考は、「大気汚染が温暖化の原因であり、オゾン層の破壊にも通じているということや森林破壊が大気汚染の原因でもあるという認識までには至っていないからである。
つまり、地球環境は環境要因を中心に、それぞれの現象が互いに関係し合い網目状の構造になっていることが理解できていないからであると考えられる。
しかし、中には地球環境の保護・保全まで考えている生徒もいる。(拡大部分ウ)
2.教師の意図するイメージマップ
地球環境は、環境要因として「大気」「水」「太陽放射のエネルギー」「大地(土)」と捉え、それぞれの環境要因から派生する事象は、下記の図一4のように互いに網構造のように関連し合っていることを認識させたい。
3.「思考のモデル」による教材設計
教材設計の手順を以下のア〜オに示す。
ア 生徒のイメージマッブから各項目に対応するカードを作成する。
イ 同じ事象が書かれているカードを重ね、分類する。そのカードの中で「地球環境」の中心となる事象を「共通カード」とする。その結果として、大気汚染、森林破壊、砂漢化など6つの「共通カード」ができた。
ウ 「共通カード」(=中心となる事象)に関連する事象のカードを集め6グループとする。
工 教師の意図する教材を作成するために、イメージマップBから、ここで押さえるべき学習内容のカードを加え、学習する順に配列し、形成関係を考えて下記の図一5(形成関係図)のように線で結ぷ。
6グループは学習の順序性がないので、環境要因の下に並列に置いた。
オ まとめたカードをもとにして思考のスタートになる部分を検討する。
ここでは地球が生物の生存する唯一の天体であり、「水」「大気」「太陽放射のエネルギー」「大地」は、生物が発生し、進化し、生存するための重要な条件であることから学習をスタートさせる。
4.教材構造図の作成
3.のア〜オの手順によってイメージマップAとイメージマップBから、新たにイメージマッブCを作成し、これを「教材構造図」とする。地球環境の教材構造を図で表すと次のようになる。(図一6)