平成5年度 研究紀要 Vol.23 -114/162page

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(3)個人差に配慮し、一人一人に目を向け、それぞれの児童が主体的に活動に取り組めるような働きかけをするようにする。

(4)その児童なりの体験や発見を大切にし、受容したり承認したり、発展させたりしていくように心がける。

(5)児童同士の交流を促すとともに、教師がその媒介となるようにする。

(6)児童一人一人の違いや独自性に気付かせ、お互いの存在を認め合えるようにする。

(7)生活科での活動が、児童の日常生活へ返っていくようにする。

 したがって、そうした体験に児童一人一人がどう立ち向かっているか、その内面を見取り、援助していくことはもっとも大切な指導となる。本研究では、第1学年の「秋となかよし」の単元において、児童が生き生きと活動し、それが連続し、発展するための支援の在り方について実践的に研究することにした。

3 研究の見通し

 研究のねらいを達成するために、次のような見通しを立てた。

 ○単元全体及び一つの活動の導入において、児童の興味・関心や経験を生かし、「おもしろそうだな、やってみたいな」「おや、おかしいぞ」などと思わせる働きかけをすれば、児童の活動意欲を喚起させることができるであろう。

 ○教師は活動を見守るだけでなく、児童のつまずきに対する適切な援助をしていけば、児童は生き生きと活動し、その活動が連続し、発展することにつながるであろう。

 ○活動における教師の観察と児童の自己評価を組み合わせることにより、児童の内面を見取り、適切に支援することができるであろう。

II 研究の実際

1 単元について

 本単元は、生活科の内容とのかかわりをみると、「公園という身近な目然への関心を深め、季節の変化に気付くようにすること」及び「公園にある草花、木の実、木の葉などで遊んだり、それらを使って遊ぷものを作って遊んだりすること」を主なねらいとしている。まず、児童の実態を把握するために、次のアンケート調査を行った。

(1)興味・関心や経験についての事前調査

 授業実践学級である上保原小学校第1学年2組の児童32名(男子12名、女子20名)について、本単元の学習活動にかかわる興味・関心や経験を調査した結果が、下の表である。

設問項目 ある、すきなど ない、きらいなど
あなたの家の近くに公園がありますか。 12 20
男4 女8 男8 女12
あなたは、公園で遊びますか。 26 6
10 16 2 4
あなたは、木の葉や鼻で遊ぶことが好きですか。 19 13
1 18 11 2
あなたは、どんぐりなど木の実で遊んだことがありますか。 29 3
11 18 1 2
あなたは、落ち葉で遊んだり、作ったりしたことがありますか。 30 2
12 18 0 2
木の葉や木の実で何かを作ったことがある人は、作ったものを教えてください。
男子・・どんぐりごま 5、笹船 4、 お面 2、うちわ 1、 てっぽう 1、どんぐりの人 1 など
女子・・ままごと 4、顔やお面 2、どんぐりごま 2、首飾りやかんむり 2、動物 2、やじろべえ 2、落ち葉のドレス 1、など

  児童は、木の葉や木の実などで遊んだり、それらを利用して何かを作ったりすることが好きであるし、また、作った経験もあることが分かった。

 しかし、「木の葉や草花で遊ぷことが好きか」については、男女差が大きい。嫌いと答えた11名の男子は、その理由として「つまらないから」と「おもしろくないから」をそれぞれ5名が答えており、いかに興味をもたせるかが重要である。

 これらの実態をふまえた上で、児童の興味・関心を生かした学習活動を展開するためには、個に応じた助言や援助が必要であり、さらに活動が連


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