平成5年度 研究紀要 Vol.23 -116/162page
1.「名前をあてましたか」
「音を聞いて考えましたか」
ほとんどの児童が木の実や木の葉の名前は知っていたが、虫の鳴き声については、あまり分かっていなかった。もみじの葉に関連して、子どもたちの間から「まっかな秋」の合唱に発展するハプニングがあったが、これは興味・関心の現れとも考えられた。
クイズが終われば、校庭に出て実際に木の葉や木の実を探したいと言い出すだろうと予想していたが、期待どおりの反応が見られた。
(2)第2次丸山公園へ秋を探しに行こう
学校から徒歩で25分ほどの距離にある丸山公園で、木の実や木の葉探しをすることが活動の中心であった。
丸山公園を選んだ理由は、前時のクイズで示した木の実や木の葉、秋の虫がどこへ行けぱ見付けられるかと尋ねたときに、丸山公園という声が一番多かったことと、春に行ったときに、一人一人が「ぼく・わたしの木」を決めていて、その変化を観察しようと計画していたことの二つからである。
公園までの道程はほとんどが通学路であったが、絵地図を使って道路の横断や歩行について指導した後、児童は、ナイロン袋と捕虫網や虫かごを手に出かけた。3時間ほど公園で木の実や木の葉を探したり、遊具で遊んだりして帰校し、活動の様子や友達とのかかわりなどについてとらえるために、「できたぞカード」2に記入させた。
それによると、全員が木の実や木の葉を見付け ることができたこと、仲よくできたこと、そしてけがをしなかったことが分かった。
カードの自由記述「じまんしたり、しらせたいこと」の主な内容は、松ぼっくりをたくさん拾ったこと、もみじやいちょうの葉を拾ったこと、どんぐりをいっぱい拾ったこと、トンポを捕まえたことなどが多かった。
このほか、みんなを学校まで道案内したこと、コオロギやイナゴを手で捕まえたこと、せっかく捕まえたトンボをかわいそうだから逃がしてあげたことなど、その子どもの思いや感じ方までも理解することができた。
また、春に同じ公園内の木を'ぼく・わたしの木'と決めて、季節の変化に伴い、木の成長や木の葉の様子を継続して観察することにしていたが、このことについて、2名の女子が記述していた。一人は、「わたしとなっみちゃんの木が、まえよりも大きくなっていた」と書いており、もう一人は、「わたしの木には、みどりのはっぱがたくさんあった。はるはさくらの花がさいていた。きれいだった。」と書いていた。