平成5年度 研究紀要 Vol.23 -131/162page
後のおもしろかったという意識が46%や、授業へのコンピュータの使用が賛成という生徒が事前の61%と事後の68%を見ると、わずかに生徒の意識はよくなってきている。このことから、コンピュータ学習に対する生徒の期待感を失わせることなく進めることができた。
2.理科学習への興味・関心は21%であったのに、コンピュータ学習を実施した後の学習意欲が33%と増している。また、地震教材への興味・関心が「多い」と答えた生徒は18%と少なかったが、この学習を通して地震への理解が深まったとする生徒が26%に増え、大体分かったと答えた生徒も含めると80%になるので、ソフトの使用は効果があると思われる。
3.当ソフトは、コンピュータの基礎操作能力が劣る生徒でも使用できるように、誤作動防止に工夫を図った。その結果、使用技能が高いと意識している生徒5%に対し、事後の操作が十分できたという成功感を得た生徒が40%、大体成功したという生徒も含めると81%になるので、ソフトウェア作成の意図は達成されている。
そのことから、このソフトは他の学校の生徒に対しても活用できると思われる。
4.コンピュータの画面に指示された操作方法が十分わかったという生徒は43%、大体分かったという生徒も含めると90%になるので、コンピュータを使った個別学習への指導にも効果があると思われる。
(2)試行授業実施後の生徒の感想
○理科では初めてのコンピュータでの授業であったが、それなりに楽しく、分かった。
○自由に操作できて、いろいろな地震のようすが分かってよかった。また、絵がリアルでどのようになったのかなど分かりやすかった。
○次々と画面が出てくるので、本当に地震が伝わっていく様子が分かった。すごく楽しい授業だったし、よく分かったと思う。
○テキストとコンピュータでやったのでとっても分かりやすかった。とくに、震源からの距離の関係で地震の起きる場所や大きさはどうなるかが分かった。
○いつもの学習の先生の話を聞いて、ノートを取るだけよりも、コンピュータを使ってグループの人たちと協力し、自分たちで進めていくので積極的にできた。先生に気軽に質間できた。
○コンピュータ授業は大変おもしろいのだけれど、いまいち、あの'シカジカ”する画面に慣れられません。あまり見ていると目が痛くなってしまった。(家でファミコンなどしないので)
でも、とっても分かりやすかったので、またあるといいなと思いました。
○分かりやすくていいと思う。教室では先生の説明だけだが、コンピュータは自分たちでできるからいいと思う。
○おもしろくない。コンピュータの使い方を覚えている間に、先生にくわしく説明してもらった方がよく分かる。コンピュータを使用しないでほしい。
(3)試行授業を行った教師の感想
1.授業におけるソフトの使用とその教育効果について
地震のシミュレーションには大変興味を示し、積極的に取り組んでいた。コンピュータの操作に習熟していなくても、簡単な操作で学習を進めることができるので、十分授業に使えると思う。生徒はこの学習で地震波の伝わる様子を実感していた。それとともに、瞬時にグラフを描いてしまうところでは、コンピュータの威力というか、便利さも感じていたようであった。その両面からも教育効果があったと思う。
2.ソフトを使用時の生徒の反応について最初に操作上の簡単な説明を聞いただけで、ほとんとの生徒が画面の指示に沿って学習をどんどん進めていた(ゲーム感覚とでも言うのか)反面、テキストの記録にこだわりすぎている生徒もいた。しかし、全員最後まで真剣に取り組んでいた。そして、楽しそうだった生徒が大部分であった。