研究紀要第94号 「一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究」 -005/162page
今、最も求められている
・コミュニケーション能力の育成
・コミュニケーションヘの関心・意欲・態度の伸長を図る指導
を目指しつつ、それらの指導の中で生徒に表れる「よさ」をどう評価していけぱ、個性を生かし伸ぱすことができるかを探っていく。外国語科(英語)研究主題
「英語でコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するための関心・意欲・態度の評価の在り方の研究」
4研究仮説外国語科(英語)研究仮説
外国語科(英語)の指導において、コミュニケーション活動を計画的に位置づけ、それぞれの活動に応じた関心・意欲・態度の評価を継続的に行えぱ、生徒のコミュニケーションを図ろうとする態度が育成されるだろう。
・「コミュニケーション活動」
英語で自分の考えや意見を相手に伝えたり、相手の考えや意見を聞く活動であり、その意思の伝達によって、お互いの心を動かしたり実際の何らかの行動を促したりすることが必要不可欠である。(ここでは、中学生の学力に応じた活動を意味する。)
・「それぞれの活動に応じた評価方法」
コミュニケーション活動を行う原に、一つの評価方法のみで毎回評価するのではなく、生徒の自己評価、相互評価、教師からの評価を適切に行うことによって、生徒の「よさ」をより多面的に把握し指導に生かすことである。
・「コミュニケーションを図ろうとする態度」
文法上のミスなどを過度に恐れることなく、自分の表現したいことを英語で表現し、相手が伝えようとしていることを積極的に理解しようとする態度である。
5 実践構想(1) 授業構想
外国語科(英語)は、週3時間から週4時間の範囲で時数を選択できるようになり、今回の研究では、そのプラス1時間をコミュニケーション活動を中心とした時間と位置づけ、授業を構成する。コミュニケーション活動は、教科書を使用した通常の授業の中で継続して取り扱っていけるものと、数時間かけて行う特別な活動が考えられる。今回は、双方を計画的に位置づけ、半年間の実践を行い、その効果や課題について考察する。
実際に活動を立案するに当たっては、特に多様な活動を取り入れることに留意する。生徒にとっては様々な活動を行う方が、自分にあった学習方法が見つけられ、自ら学習意欲を高め、自分なりの学習方法を身につけていくことができると考える。
なお、コミュニケーション能力は4領域全てにおいて伸ぱされるべきものであるが、学習指導要領で「聞くこと」と「話すこと」が独立した領域になり、音声面の指導の充実を特に求めていることと、前述のアンケートの結果でも音声面の重視が見られることから、今回は音声によるコミュニケーション活動を中心に実践を進める。
(2) 評価構想
実践全体の評価計画としては、関心・意欲・態度の評価を重点的に行うが、各時間の指導過程においては、場面に応じて、他の観点「表現の能力」「理解の能力」「言語や文化への知識・理解」の評価についても行う。また、生徒の「よさ」を伸ばすためには教師が積極的に「よいところを見つけて伸ぱしてやろう」とする姿勢、生徒自身が「よさ」に気づこうとし、自分自身の「よさ」を伸ぱそうとする姿勢、互いの「よさ」を認め合い伸ぱし合おうとする姿勢が、最も大切であると考える。
今回の実践では、基本的には、授業の流れを妨げず、生徒への負担も少ない選択式の評価を行うが、生徒の心の動きを具体的にとらえようとする場合には、記述式の評価も行う。